若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

肖像画2

肖像画は似てなくてもいい、という話の続きです。

きのう書いた、「パストレ侯爵の肖像」ですが、当時の肖像画は、その人の地位とか名誉とか権力、財力を描き表わすのが目的だったのかもしれない。

見た人に、「お!金持ってそう!」「お!えらそう!」と思ってもらえれば成功。
顔は問題じゃない。
カネとか力が問題である。

えらいひとは、えらそうな顔に描く。
金持ちは金持ちそうな顔に描く。

先日、電車でえらそうな顔を見ました。

電車に乗り込んできた70代と思える恰幅のいい男性の顔を見たとき、「お!えらそう!」と思ったんです。
大企業のえらい人かな、と思ってたら、その人は、私の前の座席に、どっか〜〜んと、股を広げてすわった。

う〜む・・・エラそうじゃなくて、無神経な顔に見えてきた。

次の駅で中年女性が乗ってきて、その男性の隣にすわろうと会釈したのに、そのおっさんは自分のカバンをどけようともしなかった。
「男性」から「おっさん」に格下げです。
無神経で厚かましく無教養さがむき出しの顔に見えてきた。

5分ほどの間に大変な転落である。
はじめに見抜けなかった私の目が節穴だともいえるし、短時間で修正できたのは立派なもんだともいえる。

同じ顔を見ているのに、これだけ印象が変わってくる。
顔を描くのは難しい。

昔、週刊誌で「似顔絵コンクール」があって、優秀作をモデル本人に見てもらうという企画があった。

一人は、アイススケートの渡部エミさんで、非常によく似てたけど、非常にふざけた描き方だった。
見せられた渡部さんは、「わ〜ん!これしかなかったんですか?かわいそうな私!」と悲鳴を上げたそうです。

もう一人は、相撲の千代の富士で、これは非常にきれいに描いてあって非常によく似てました。
千代の富士は、「これくらいきれいに描いてもらったらうれしいです。いろいろ似顔絵を描かれるけど、こういうのは少ないですね」と喜んでました。

どちらもよく似てるんだけど、片方は泣き、片方は喜ぶ。
難しいです。

顔を描くというのは、あまりいい趣味じゃないかもしれませんね。

↓少しずつ描き進めてます。
 顔は、次に来てもらってから描きます。