朝日新聞夕刊。
腹話術の川上のぼるさん(83)が亡くなったという記事。
非常に印象に残る人です。
初めて見た芸能人なんです。
60年ほど前のことです。
幼稚園の最初の同窓会に、腹話術の人形を持って現れました。
「卒園生の集い」だったかな。
「集い」といっても、私が第二回卒園ですから、小学一年生と二年生が、数十人お遊戯室に集まったんです。
そこへ、「川上のぼるさん!」と紹介されたのかどうかもおぼえてませんが、お兄さんがトランクを下げて現れて、人形を引っ張り出して、「ネエ、坊や」「ウン!」とやりだした。
たぶん私には、腹話術なんかわかってなかったと思います。
ぼうぜんとして見てた。
時間が来て、お兄さんが、「それではみなさんさようなら!」とかなんとか言って、「坊や」をトランクに入れようとしたら、「坊や」がいやがって暴れまわったのが目に焼きついてます。
その後、ラジオのハリスチュウインガム提供のクイズ番組に出て、「ハリス坊や」が「一等賞〜〜!」と叫ぶのが、子供たちの間で人気になったと思います。
その後もテレビでよく見ましたが、特別に売れたとかいうことはなく、穏健中道、という感じだったと思います。
しかし、私にとっては、幼稚園お遊戯室の体験が強烈で、「川上のぼる」というと、別格なんです。
芸能人代表というか有名人代表というか、初代芸能人というか。
さびしいですわ。
べつに、何をしてもらったというんじゃないけど。