今日は人物画教室。
今年88歳の先生には、いつも感心させられます。
先生の「仕事」は、絵を描くこと、絵を教えること、ということになるんでしょうが、先生にとって、絵はそんなもんじゃないなという気がします。
こういう境地に達する人は少ないでしょう。
今年の初め、年内に個展を二回する予定と聞いて、そのエネルギーに驚きました。
驚いてるうちに、「仕事で東京に行ってきます」と聞いて、また驚きました。
国会議員の肖像を依頼されたようです。
5月に倒れて入院と聞いてまたびっくりしてたら、すぐに杖をついて復帰されたのにまた驚きました。
復帰後も、以前と変わることなく熱心に指導される姿にまた驚きました。
今日、先輩女性Aさんが、「先生、体調はいかがですか」と聞いたら、「おかげさんで順調です。こないだ淡路島に行ってきました」
「まあそれはよかったです。ゆっくりされましたか」
「いや、仕事でね」
これにはまた一同驚いたのであった。
もちろん、衰えておられますよ。
5年前、私が通いだした頃は、教室を足取りも軽くさっそうと歩いておられました。
今はそういうわけにはいきません。
しかし、指導ぶりはまったく変わりません。
ヘタな絵を見ると黙ってられないんでしょうね。
口ぶりは厳しくないですよ。
「ここは、こうしはったほうがええんじゃないかと思うんですがなあ」
まったりした口ぶりと柔らかな笑みの裏にある厳しさに気づかないのはよほどのアホです。