私が、生まれて初めて出た同窓会は、幼稚園の同窓会です。
某女子大付属幼稚園ができたときに入ったので、第一期生である。
私は、二年保育だったので、第二回目の卒園ということになる。
たぶん、小学一年生のとき、幼稚園の同窓会が開かれたと思うが、まあ、あてにはなりません。
低学年のときだったことは確かだ。
他のことは何もおぼえていないが、余興で、川上のぼるさんが出たことを、はっきりおぼえてる。
関西では有名な、腹話術のお兄さんだったから、お遊戯室に、川上のぼるさんが現れたときは驚いた。
「ハリスチューインガム」提供の、ラジオ番組に出演していて、私にとっては「スター」だったのだ。
子供向けのクイズ番組だったと思う。
腹話術の人形の名前は、「ハリス坊や」で、「いずみだゆきお」という人が司会だった。
子供が正解すると、川上のぼるさんが、というか、ハリス坊やが、ヘンテコな声を張り上げて、「いっとうしょ〜〜!」と叫ぶのを、喜んで聞いていた。
同窓会では、お遊戯室で、ハリス坊やを抱えた川上のぼるさんの熱演に夢中になった。
熱演が終わって、川上のぼるさんが帰り支度にかかる。
ハリス坊やを、トランクに入れようとするのだが、ハリス坊やは、帰りたくない!いやだいやだ!と叫んで、暴れた。
ハリス坊やが人形だということはわかっているのだが、トランクに入れられるのを嫌がって、大声で叫んで暴れるのが不思議で仕方なかった。
小学一年生か二年生で、幼稚園の同窓会に出席というのも、イキなものである。
幼稚園の同窓会は、そのときしか出たことがない。
たぶん、成長した私は、幼稚園の同窓会なんか行ってられるか、という勢いだったんでしょう。