選挙って、むずかしいでしょうね。
奈良の田舎の方の自治会で班長をしている人の話。
選挙になると、自治会長がやってきて、「ウチの地区の推薦はこの人だから、班の皆さんに念を押しに回れ」と言うそうです。
地区推薦なんかあるんですね。
知りませんでした。
ウチの地区は、50年ほど前に開発された、「元新興住宅地」です。
開発当初、30代、40代だった人たちが、80代、90代になってる。
子供会もとっくになくなり、夏祭りもなくなった。
25年前、私たちが引っ越してきたころ、すでになかった。
その、なつかしい夏祭りを復活させようと、若者たちのグループが動き出した。
結構なことである。
自治会にそんな力はないです。
若い力を結集してやってもらえるのはありがたい。
そう思ってたら、グループ代表の青年Aさんがやってきて、協力を求められた。
で、私は、「自治会としては、カネもヒトも出せない。私が口だけ出す」と答えました。
Aさんは、うっすらと笑ってました。
このグループは、二、三年前から何かやろうとしてました。
はじめは、軽率な人たちだなと思ってました。
しばらくして、軽薄な人たちだなと思うようになりました。
青年グループというより中学生レベルじゃないか。
しかし、春に小さなイベントを成功させたので、ちょっと見直したとこです。
そういう率直な感想を述べる私の前で、Aさんは、やはりうっすら笑ってました。
ひと月ほど前、Aさんは、夏祭りの案内のチラシを持ってきた。
自治会で回覧してほしいというんです。
見た瞬間、「アタマワル!」と思いました。
ぐちゃぐちゃごちゃごちゃ、何のチラシかわからん。
そういう率直な感想を述べる私の前で、Aさんは、やはりうっすら笑ってました。
しばらくして、改訂版を持ってきた。
わりと素直だな、と思ってたら、ある人から電話がかかった。
「Aさんは、来年の市会議員選挙に出るんですよ。知ってますか」
知りませんでした。
すべて選挙運動のようにも思えてくるけど、心から地域の活性化を願ってるのかもしれない。
選挙って難しいです。