若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

大富豪

ルイジーン・ハブマイヤーという大富豪の奥さんの回想記を読み始めました。

大富豪の奥さんの回想記を読みたかったのではなく、美術品コレクターの回想記を読みたかったんです。

いまのところ、コレクションの話はほとんどなくて、「大富豪」関係が中心です。

ルイジーンさんは、富豪の家に生まれて大富豪と結婚した、
思い出の人々について語ると、大富豪について語ることになる。

親しく付き合った人たちとか、お友だちとかお隣さんとか、全員大富豪です。

たとえば、石油王ロックフェラーとか鉄鋼王カーネギーとか鉄道王バンダービルトとかです。
ルイジーンさんのご主人は、砂糖王なんです。

石油王ロックフェラーは、その莫大な資産の割には質素な人だったと書いてます。

思わず好感を持ちそうになりましたが、続きを読んでカックンとなる。

ルイジーンさん夫妻がロックフェラー家に招かれた。
邸宅の広大さに驚いてます。

どれほど広大か。

夫妻がロックフェラー家に入ると、ロックフェラーさんが迎えにやってきた。
はるかかなたから歩いてくる。
家の中ですよ。
邸宅があまりにも巨大なので、ロックフェラーさんが小人に見えたそうです。

夫妻が招き入れられた部屋も、広大というか巨大というか、ルイジーンさんがご主人に、「笛でも吹いててもらわないとあなたがどこにいるかわからないわね」というほどの広さです。

ロックフェラーさんが、ルイジーンさんの家に来たとき、適度な大きさなのに感心してたと書いてます。

ルイジーンさんは、ロックフェラーさんを素晴らしい人だと書いてるんですが、腹の中では、「クソッ!」と思ってたんじゃないでしょうか。
負け惜しみの強い女という感じです。

イザベラ・スチュワート・ガードナーさんも出てきます。
この人も大富豪の奥さんで、ルイジーンさんと同様美術品のコレクターです。
印象派の本にはよく出てきます。

ある日、イザベラさんから、土曜日の午前中に絵を見せてほしいと言ってきた。
ルイジーンさんは、ムカッとする。
土曜日の午前中は我が家の掃除だと知ってるくせに。

見せてやらない!と怒ってたら、ご主人が、相手の都合に合わせてあげるものだよとたしなめる。

「ホントにウチの主人は寛大な人なんです」と、夫をほめる。
ルイジーンさんは、いろんな大富豪をほめまくりますが、とくに自分の夫は絶賛です。

さて、やって来たイザベラさんは、珠玉のコレクションをじろじろ見まわったあげく、「私のコレクションも見に来てちょうだいね」とココロにもないことを言った舌の根も乾かないうちから、どういうわけか、「見ていただけないのが残念ですわ」という話になってしまって、この女、いつでもこうなんだから、と怒り心頭です。

印象派の画集に、イザベラさんとルイジーンさんの肖像画が出ています、
絵で見る限り、イザベラさんの方がルイジーンさんよりスタイルがよくべっぴんさんです。

まだ読み始めたとこですが、負け惜しみの強い意地悪な大富豪夫人という感じです。

いや、ルイジーンさんがさらりと書いているつもりのことを、私がひねくれて読んでるだけかもしれない。


大富豪の奥さんの本をさらりと読むのはむずかしいです。