若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ガキ大将

『ヨーロッパのキリスト教美術:12世紀から18世紀まで』という本を読んでます。

名著であると思います。
さっさ〜と読むわけにはいかない。

なんちゅうか、「中身がつまってる」という感じかな。

むずかしいというのじゃないんです。
おもしろい話も散らばってます。

ロジェ・ド・ゲニエールという人が出てくる。

17世紀後半のフランス人です。
この人は、フランス中の墓を、一生かけて調べ歩いた。
フランス革命や宗教的争いで打ち壊された立派な墓のことがわかるのは、この人が記録に残しておいてくれたからです。

画家を連れて歩いて、墓の絵を描かせた。

その画家は、著者エミール・マールさんによれば、「愛想はよいが才能には恵まれていなかった」そうです。
どんな絵か見たいもんです。

16世紀の神聖ローマ帝国皇帝カール五世も出てきます。
この人の称号はすごかった。
いろんな国の国王を兼任してたしヨーロッパのあちこちに領土を持ってたので、書ききれないほどの称号を持ってたのですが、手紙を出すときは、全部書かないと気が済まなかった。

この本には出てきませんが、ウイキペディアで見るとこんなんです。

「カール、神の恩寵によるローマ皇帝、永遠の尊厳者、ローマ王、イタリア王、全スペインの王・・・(あと二十くらい続く)バスク、モリン、メヘレンの領主」

差出人としてこんな風に書かないと気が済まなかった。

そういう手紙を受け取ってうんざりしたフランス国王フランソワ一世は、返事に、「ガキ大将フランソワより」と書いて出したそうです。

フランス人である著者は、ドイツ人よりフランス人のほうが上だと喜んでます。
名著である。