若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

けったいな商売

『A STRANGE BUSINESS』という本を読んでます。

イギリスの画家ターナーが、「画家というのはけったいな商売だ」と言ってるそうです。
この本には、画家、彫刻家、版画家、パトロン、画商などが出てくる。
19世紀イギリスの、芸術とカネにまつわるお話です。

まともに有名画家を取り上げても話題にならない。
ごちゃごちゃややこしい話を取り上げる。

本を書く人も大変です。

以前、『知られざる印象派』という本を読みました。
モネやルノワールではダメなんですね。

さて、19世紀イギリスでは、彫刻家もけったいな商売だったようです。
19世紀イギリスでは、彫刻が大変はやった。

戦争が多かったので、少数の英雄と多数の死者が出た。

少数の英雄をたたえるため大理石の巨大な英雄像を作るのが流行った。

多数の死者をたたえたり悲しんだり忘れられたりしないようにと、墓に大理石の胸像を置くのが流行った。

死んだ人ばかりでなく、生きてる人の像を建てるのも流行った。
国王ジョージ4世は、在位7年目で、13体の大理石像が建てられたそうです。

ネルソン提督像も、トラファルガー広場だけでなく、あっちこっちにあるそうです。

何かというと肖像彫刻を建てた。

イギリス国内だけではなく、インド、西インド、アメリカなどからも注文が殺到した。

巨大大理石彫刻は、制作に何年もかかるから、十年分の注文を抱える人気作家もいた。
大勢の助手を雇ってガンガン作っても追いつかなかった。

墓場用の胸像の注文も、ものすごかったみたいです。

戦争だけでなく、病気でもどんどん死んだ。

この世は不安に満ちている。
人生ははかない。

しかし、彫像は永遠にに残ります!
彫像を作ろう!

この本の著者は、当時の彫刻家は、今の保険会社みたいなもんだと言ってます。

人々の不安に付け込んでというか、不安をあおって金儲けした。

当時、キリスト教も同じようなやり口で商売したと書いてます。

世の中、けったいな商売は多いです。