駅前行きのバスを待ってました。
向かい側の歩道を、幼稚園の制服の女の子二人を連れたお母さんが歩いてました。
お姉ちゃんは年長組で、妹が年少さんという感じです。
はじめは三人並んでたんですが、そのうちお姉ちゃんがどんどん先に進みだした。
お母さんは追いかけながら、妹の方に「早く来なさい」と声をかけるんですが、歩道の花に気を取られて動かない。
で、お母さんは、先へ行くお姉ちゃんと、花にしゃがみ込む妹の中間地点という不安定な位置取りで、両方見たいのに、どっちも見られないという困った状況に陥ってしまった。
お姉ちゃんはどんどん歩いて、信号のところまで行ってしまった。
お母さんは、「渡ったらダメ!」と言って、妹の方に、「ゆかりちゃん!早く!早く来なさい!」と言いました。
と、お姉ちゃんは信号を渡ってしまった。
お母さんは焦って、「そこで待ってなさい!」と言いました。
すると、お姉ちゃんは、「ママ~!おトイレ!」と叫んだ。
お母さんは、「ええ~~~~っ!」と叫んだ。
私も、心の中で、「ええ~~~~っ!」と叫びました。
お母さんは、体を引き裂かれそうな感じで、「ゆかりちゃん!早く!早く来て!」と叫びました。
呼ばれたゆかりちゃんは立ち上がって、お母さんのほうに駆け出した。
5、6歩走ったかと思うと、バッタ~ン!とこけて、ワッと泣き出した。
お母さんは、「ンモ~~~~ッ!」と叫んだ。
私も心の中で、「ンモ~~~~!」と叫ばずにはいられませんでした。
お母さんは駆け寄ると、女の子を起こして抱き上げた。
そして、「重たい~~~!」と言いながら、お姉ちゃんのほうへ走っていきました。
しばらく待ってたらバスが来たので、乗って走ってたら、窓からさっきの親子が見えました。
三人並んで何事もなかったように歩いてました。
「これが子育てだ!」という現場を見せてもらいました。