駅前でバスを待つ。
幼稚園や小学校があるので、子供達がたくさん通るので楽しい。
幼稚園の子供をむかえに来たお母さんは、小さな子を連れているので、これも楽しい。
おむかえのお母さんは、首から「IDカード」というんでしょうか、「認識票」をさげている。
「父兄」と書いてあって、写真がはってある。
念には念を入れて、お母さんだけでなく、ベビーカーの子供にも、「妹」とか書いた、「IDカード」を義務づけてほしい。
小学校低学年の男の子が二人ふざけながらやって来る。
一人の子は、ズボンを片足まくりあげている。
見ると、ひざ小僧から血が出ている。
私が見ているのに気づいた。
私の視線を意識しながら、男の子は言った。
「チーやで。チー出てん。チー。チー出てん」
しきりにアピールしながら通り過ぎた。
何か、声をかけてやるべきだったか。
バスに乗った。
幼稚園おむかえのお母さんが乗ってきた。
幼稚園のお兄ちゃんと、3歳くらいの弟。
弟が、一番前の席にすわりたがる。
当然でしょう。
しかし、お母さんが許さない。
弟は、お母さんの手を引っ張る。
「だめ!お母さんがすわれないでしょ!」
一番前の席は一人掛けだ。
自分が座れないからダメなのか。
弟はがんばるが、お母さんもえらくしぶとい。
「歩いて帰ろうっていったのに、バスがいいっていうから乗ったんでしょ。そんなこというなら歩くよ!」
「すわらせてやりなさい!」
私が、心の中で叫んだのが聞こえたのか、お母さんは引きずられて、男の子は一番前の席にすわった。
なぜこういう無駄な抵抗をするのだろうか。