朝日新聞奈良版。
まんなかあたりにカラー写真が出ている。
奈良交通のバスと、軽乗用車が、なかよくぴったりくっついて、こっち向いて写っている。
大きなバスと、小さな軽乗用車。
ほほえましい写真だ。
なんだろうか。
事故だった。
なかよくぴったりくっついてるんじゃなくて、衝突したのだ。
バスの右側と、乗用車の左側が、へしゃげている。
乗用車の左側は、ぺしゃんこだ。
それにしては、のんびりした写真だ。
なかよくならんでるとしか見えない。
記事を読む。
11日午後1時半ごろ、広陵町の交差点でぶつかったのだ。
バスには乗客はなく、運転手は無事。
乗用車の女性は、軽いけが。
写真は、「○○さん提供」と書いてないから、朝日の記者が撮影したのだろう。
たまたま現場を通りかかったのだろうか。
運転者が軽いけがという知らせを受けて、事故現場に急行、はりきって撮影したのだろうか。
なぜ、この写真をのせたのだろう。
せっかく撮影したから、使わないともったいないと思ったのだろうか。
ほほえましくて、いい写真だと思ったのだろうか。
いろいろと考えさせられる記事であった。
奈良交通のバスといえば。
二、三日前、駅前のバスターミナルからバスに乗った。
お母さんと小さな男の子。
おじいちゃんがいっしょだ。
おじいちゃんは久しぶりのようで、男の子に、何やかやとうれしそうに話しかけていた。
男の子が、外を見ながら、「鹿さん、ジャンプ!」とかわいい声をあげた。
奈良交通のバスの車体には、鹿がジャンプしているマークが描いてある。
ターミナルには、何台もバスがとまっているので、鹿さんがたくさんジャンプしてる。
「鹿さん、ジャンプ!」
おじいちゃんにはわからない。
「え?・・・鹿さん、ジャンプ?・・・」
「ほら、鹿さん、ジャンプ!」
「???う〜ん、鹿さん、どこにいるの?」
お母さんが口をはさむ。
「バスの車体」
ぶっきらぼうである。
「・・・あっ!お〜お〜!そーかそーか!鹿さん、ジャンプ!ほんとやねえ!鹿さん、ジャンプ!鹿さん、ジャンプ!そうか、そうか!ほんとやほんとや!鹿さん、ジャンプ!ジャンプ!うんうん、鹿さん、ジャンプ!」
他のお客様の御迷惑になりますので、車内ではあまりはしゃがないで下さいと注意されかねないはしゃぎ方であった。