朝日新聞奈良版。
「若草山・鹿せんべい飛ばし 来月19日」
おお!やりましたねっ!会長!
「鹿せんべい飛ばし大会」の主催者である若草山観光振興会の会長Sさんはかねがね新聞の取り上げ方に不満をもらしていた。
各新聞が「鹿せんべい飛ばし大会」を記事にしてくれるのはいいけれど、大会の翌日なのである。
「終わってからではな〜。大会の前に出してくれて頼んでますねんけどね」
会長の願いが通じたか、ついに予告記事が実現した。
記事によると、鹿せんべいを利用した「願掛け」や、奈良の農産物の「特産市」も初登場、ますます盛大になるようで結構である。
私のことまでは出てないでしょうな。
お!あった!
「大会限定キャラクター『若草鹿之助』らのライブもある」
た、た、大会限定キャラクター!(-_-;)
誰が!?
おまけに呼び捨て。(>_<)
「若草鹿之助容疑者」と書かれるほうがマシだ。
私は、若草山観光振興会の「使い走り」なのか。
一年おきに自腹で衣装を買い、CDを売った金を寄付し、共演の子供たちにお菓子まで買ってやった報いがこれだったのか!
まあ、たしかに「大会限定」ですよ。
他では通用しませんから。
いいんです。なんと書かれようと。
くじけはしない!
今に見返してやる!
毎年正月がすんだころ、我が家で繰り返される押し問答がある。
突然家内が言う。
「今年はやめてね。電話がかかっても断ってね」
家内は、私が若草山で歌って踊るのを心から嫌っている。
恥さらしだと言うのである。
たしかに恥さらしだ。
しかし、年に一度の恥さらしくらいいいんじゃないでしょうか。
例年、お水取りがすんだころ、若草山観光振興会の会長から電話がかかる。
何と言っても、「山焼き」と「お水取り」がメインイベントで、「鹿せんべい飛ばし大会」のポジションはぐっと下がる。
お水取りがすんで一息ついてから準備にかかるようである。
今年は二週間ほど前に電話があった。
いやに早い。
力が入っているのだろうか。
ポスターに写真も入れてくれるそうだ。
去年文句を言ったからだろう。
去年のポスターは、桜よしのさんという若い女性歌手だけ写真入りだったのだ。
写真入りポスターと聞いて家内は憮然としていた。
気の毒である。