オリンピックの聖火リレーが、行く先々で妨害を受けて大変なことになっている。
開催国である中華人民共和国の、チベットに対する「圧政」に抗議する人達の標的になっているのだ。
サンフランシスコでは、混乱を避けるため、予定されていたコースを走らず、裏道を伝って空港にたどり着き、飛行機に乗せてさっさと送り出してしまった。
「聖火リレー」というより、「やっかい払い」だ。
中華人民共和国は、「聖火防衛隊」を派遣して、聖火を守ろうとしたが、途中、何度も消えたようだ。
火を消さないようにするのは大変だ。
墓参りの時、線香に火をつけるのに苦労するから、よくわかる。
子供のころは、家の風呂をたいたから、火の苦労は十分経験している。
紙くずに火をつけて、次に小さな木切れを入れる。
それから、まきを入れる。
まきが石炭に進化したのは何時ごろだったか、とにかく中学生までは、風呂焚き当番で苦労したのである。
火をつけて燃やし続けるのは、結構難しいのだ。
何の話か。
聖火だ。
オリンピックの聖火は、ギリシャで「採火」する。
太陽の光を、凸レンズを使って点火する。
冬季オリンピックの聖火は、月の光を凹レンズを使って点火する。
これはかなり難しいので、試さないで下さい。
中華人民共和国は、長野にも「聖火防衛隊」を送り込んでくるそうだ。
オーストラリアは、自分の国で守れるから「聖火防衛隊」は必要ないといっている。
まだまだ混乱は続きそうである。
混乱を避ける方法がひとつある。
力は使わない。
頭を使う。
聖火リレーを、「五体投地礼」方式で行うのだ。
「五体投地」とは、チベット仏教における最高の礼式である。
直立の姿勢から、ひざまづく。
地面に両手をついて頭を下げ、そのまま手を前にすべらせて、腹ばいになる。
文字通り、五体を大地に投じて礼拝する。
チベット仏教の信者たちの、人生最大の行事が、聖地巡礼であるが、この礼拝方式で聖地までたどり着こうとする人達もいる。
その姿を、初めてテレビで見た時は驚いた。
一歩進むごとに、五体投地。
巡礼に、二、三年かかるという。
この世は虚しい仮の世で、来世こそ真実の世界だという世界観なればこそできる苦行だ。
聖火リレーを、五体投地でやれば、妨害は起きないだろう。
若草鹿之助商店チベット仏教事業部から、中華人民共和国への御提案です。