面白くない映画のことを書いたら面白いだろうと思ってテレビでいろいろ映画を見てるんですが、面白いとか面白くないとかいう前に途中で見る気がしなくなる映画が多くて困ります。
テレビの映画はタダだから見なければ損と思うんですが見た方が損というのが多い。
クリント・イーストウッドの『アルカトラスからの脱出』は実話をもとにした脱獄映画です。
はじめのほうで監獄の所長が出てくる。
鬼のような「専制君主!」というおっさんです。
見る気をなくします。
まあ、アメリカのことですからこんなおっさんもいてるのかもしれんが、こんなおっさんがいてるとは思えない。
やめ。
スチーブ・マックイーンの『ハンター』も実話をもとにした話です。
サンフランシスコ市警が舞台で、スチーブ・マックイーンが市警のえらい人の部屋に呼ばれる。
かなり広い部屋なんでかなりえらい人だと思います。
そのえらい人がいきなりピストルを出してスチーブ・マックイーンを脅迫するんです。
「オレの甥に手を出すな!」と叫んで今にもぶっぱなす勢いです。
まあアメリカのことですから、こんな人もいるのかもしれんが、こんな人がいるとは思えない。
やめ。
『サムライ』は始まってすぐ見る気をなくしました。
画面が暗い。
画面の暗い映画にろくなのはない。
思わせぶりで中身なしが多い。
暗い室内が延々と写る。
もごもご動いてるのはアラン・ドロンだろうとイライラしながら待ってたらやっぱりアラン・ドロン。
意外性なし。
時間の無駄。
暗い部屋を出たアラン・ドロンがいきなり自動車ドロボーをする。
通りに止めてあった自動車に乗り込んで何をしたか。
ポケットから鍵の束を取り出したんです。
直径2、30センチの針金の輪にカギが100個ほどぶら下がってる。
その鍵を一つずつ試すんです。
これ、全部試していくんか?と心配してたらうまい具合にすぐエンジンがかかったので、アラン・ドロンもほっとしたと思うけど私もほっとしました。
車に乗ったアラン・ドロンが動き回る。
めったやたらあっちこっちに行く。
客でにぎわうナイトクラブに入ったと思ったら支配人みたいな男をピストルで射殺して、入ったときと同じように顔も隠さず堂々と出て行く。
なんかもうめちゃくちゃなんですが、なんかあるんじゃないかと辛抱して早送りで見たけどなんにもなかった。
アラン・ドロンが殺し屋になったらかっこいいだろうというので作った映画だと思います。
帽子をかぶってコートを着たアラン・ドロンはカッコいいけど、殺し屋としては間が抜けてる。
見たら損という映画であった。