歯科医院に行って欠けた前歯を「仮設置」してもらいました。
うまくできるもんですね。
口の中の感覚的には違和感ありですが、見た目は違和感なしです。
「前歯が欠ける」というと、まず思い出すのが『吾輩は猫である』の寒月君です。
シイタケを食べて前歯が欠けたと言うんですから、私の市田柿といい勝負です。
つぎに思い出すのは、高校美術部でいっしょだったS君です。
1年生の時自転車でこけて前歯が欠けたんです。
S君の数ある愚行のうちの一つです。
美術部は年に一度校内展をしました。
会場は講堂なんですが、講堂の壁に掛けるんじゃなくて、講堂に「間仕切り壁面」を設置して、美術館みたいな感じにするんです。
この「壁面」を部員が手作りする。
角材を組んで表面にドンゴロス(粗い麻布)を張って「壁面」にする。
一見本格的、実はチャチ。
チャチだから針金で引っ張って倒れないようにする。
この「一見本格的、実はチャチ壁面」を作るためのくぎと針金を、S君と私で買いに行ったんです。
美術部長のgicchonさんに買ってこいと言われたんだと思います。
自転車1台で上本町8丁目の金物屋に行って買いました。
S君が自転車をこいで、私が後ろに乗ってくぎと針金を持ってた。
学校近くの下り坂にさしかかったとき、S君が「両手放して自転車に乗れるんやで」と言った。
そしてハンドルから両手を放してさっと広げた。
さっと広げた瞬間バランスを崩してひっくり返った。
そのときS君は前歯を折ったんです。
私はS君のお尻に顔が乗って無事でした。
この時初めてS君があほな男だと知りました。
その後いやというほど知ることになって今日に至る。
この時は二人ともスリムな体形でしたが、S君は太ってしまって気の毒である。
私はスリムな体形を維持してます。
なんの話か。
前歯の話でした。