西部劇映画はばかばかしいのが多すぎて、二度と見ないと決めたんですが、西部劇映画以外もばかばかしいのが多すぎて、西部劇だけを差別するのはよくないと思ってまた西部劇も見てます。
『100万ドルの血闘』というタイトルからしてばかばかしそうだと思って見始めて、お、これは期待できるのじゃないかと思いました。
「時は1909年、アメリカ合衆国東部地域にはヨーロッパ文化の波が押し寄せていた。1905年にはアインシュタインの相対性理論、芸術ではオーケストラ、オペラ、バレエ、映画・・・東部の人たちはそれを楽しんでいたけれど、それに比べて西部では、馬泥棒、つるし首・・・」
一瞬、ちょっと変わった切り口かなと思います。
「さて1909年、西部では9人のならず者が馬に乗って・・・」
一癖も二癖もありそうでなさそうな悪党の紹介になって、すぐにふつうの西部劇になってしまいます。
この映画はあまりにお粗末すぎて最後まで見てしまった。
主演はジョン・ウエインです。
私がこれまで見たジョン・ウエインの映画と同じで、この映画でもジョン・ウエインは殺人狂です。
不思議なのは、この映画ではジョン・ウエインは牧場主なんです。
牧場主が趣味で人を撃ち殺してるみたいな感じです。
名前を聞いただけで周辺地域の人が震え上がるんです。
牧場主兼殺人狂。
お話は単純で、ジョン・ウエインの孫が悪党に誘拐されて身代金を要求される。
それをジョン・ウエインが助けに行く。それだけの話です。
まず悪党が牧場主の大豪邸に乗り込む。
どういうわけかジョン・ウエインは10年ほど留守にしてて奥さんしかいません。
乗り込んだ悪党はいきなり銃を乱射、5、6人殺す。
そして金を奪うかと思ったら奪わない。
宝石も奪わない。
ここで奪ったら追跡にならないから。
そして男の子をさらって身代金20ドル札で100万ドルを要求して去っていく。
1909年の100万ドルは今ならどれくらいかと考えてはいけない。
「100万ドル」イコール「大金」という感覚じゃないと西部劇にはついていけない。
どういうわけか男の子の母親はいない。
おばあちゃん役のモーリン・オハラが召使に「屋根裏部屋の箱を持ってきなさい」と命じる。
持ってきた大きな箱には、な、な、なんと20ドル札で100万ドル入ってる!
そして軍隊が登場、奥さんに孫を取り返してあげると言うんですが奥さんは断る。
軍隊より頼りになる男がいるというんです。
そう、10年ほど行方不明の夫、ジョン・ウエインです。
騒がしくジョン・ウエイン登場!
なんかわからんままに、二人の息子と忠僕の老インディアンと忠犬を連れて出発。
(この忠犬、はじめは黒いのにとちゅうで茶色くなって、また黒くなります。どうでもええけど。)
ジョン・ウエインは孫の命を救うよりその途中の暴力場面を楽しんでるとしか思えません。
さんざん楽しんだあげく孫を救い出す。
最後の最後で、ここまでつくしてきた忠僕老インディアンと忠犬が殺されるんですが、ジョン・ウエイン知らん顔。
見事に知らん顔。
なんのコメントもありません。
孫と息子二人と、めでたしめでたしという感じです。
あんたそれでも人間かと言いたい。
アメリカのアマゾンの評を見ると、この映画は非常に高く評価されてます。
ジョン・ウエインはなんとなくトランプさんに似てる。
この映画を見て、トランプさんはアメリカの大統領にふさわしいと思いました。