東京芸大とは浅からぬ縁がある。
なんたって高校美術部でいっしょだったS君の母校である。
私の母校と言ってもおかしくない。
おまけに高校美術部の顧問の先生が東京芸大出身である。
かなり深い関係と言える。
入試がむずかしいと知ったのはS君が受験することになってからです。
40倍とか50倍とか聞いてびっくりした。
でもS君なら合格すると思ってた。
うまかったから。
ところが現役では合格しなかった。
先生に「S君みたいなうまい人でも合格しないんですね」と言ったら「うますぎるからだ」とわけのわからんことを言われた。
それ以来私にとって東京芸大はわけのわからん大学である。
先日、何度目かの本の整理をはじめて、美術関係の洋書をどうしようかと悩んだ。
いちおう「専門書」で「洋書」だからふつうの古本として処分するのはもったいない気がする。
美術系の大学に寄付すればいいのじゃないか。
美術系の大学と言えば、私と縁の深い東京芸大だ。
しかし、東京芸大の図書館が寄贈を受け付けているであろうか。
30年ほど前、奈良市立図書館に寄贈しようと思って問い合わせたら「そういう申し入れが多いので断ってます」とのことであった。
なるほどね。
誰の考えることもいっしょです。
自分の読んだ本がどこかで役立ってほしい。
図書館だ!
殺到!
面倒見切れん。
う~む、東京芸大、入試の倍率も高いけど本の寄贈もハードルが高そうである。
問い合わせました。
「そういうお申し入れが多いので」というとこまではいっしょでした。
「送ってもらってもいいけど図書館として受け入れるかどうかはこちらで決めます」とのことである。
そうでしょうな。
日曜画家がぼろぼろになるまで熟読した『油絵入門』『やさしい人物画』なんかを送ってこられても困りますよ。
さてどうする。
私が読んだ本がどういうレベルの本かわからない。
興味のあるテーマの本を選んだだけなので、著者のことなんか知らない。
どんな出版社かも知らない。
読んだ感じでは全部まともな本だと思うんですが・・・。
恐る恐る送ったらほぼすべて受け入れてもらえたようでよかったよかった。
洋書の強みですね。
冊数も数えてなかったんですがご丁寧に「受け入れリスト」を送ってくれて70冊ほどでした。
リストを見て、この10年ほどの間によく読んだものだと感心しました。
感心すると同時にほとんどアタマに残ってないなとしみじみしました。