若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

夏休みはうれしい?いや、うれしくない。

今日は、T美術研究所。

前回から、ミロのビーナスの石膏デッサン。
ふつうの「ミロのビーナス」じゃなくて、面取りをしたというのか、ビーナスの顔が、カクカクカクとなってるやつ。

これって、初心者用なんでしょうな。
かえって難しい気もしますが。
まず、輪郭線と、顔のカクカクの線を描く。

先週、いちおう描き終ったのを見ると、カクカクしてるからか、「ミロのビーナス」というより、「ミロのガンダム」という感じである。
ロボットみたい。

先生にそう言ったら、「正しく描けてないということですね」とのこと。
なるほどね。
見直して描きなおす。
ロボット顔じゃなくなって、表情が出てきました。

正しく描けば、ミロのビーナスになる。
あたりまえです。

今日は、線描したものに明暗をつけて、立体感を出す。
立体感は出たが、また、「ミロのガンダム」風になる。
先生が、木炭のところどころガーゼでさっとふく。

すると、ぐっと雰囲気が出ました。
伝統的な、決まったやり方があるんですな。

感心してたら、先生が受験生達の石膏デッサン作品を見せてくれた。
すばらしい!

特に、「東京芸大合格」という人たちの作品は見事なもんであった。
しかし、先日見せてもらった、杉の大きな角材を焼いたのを、木炭で描いた作品の方がすごいと思った。

「これもすごいですけど、この前見せてもらった、杉を描いた人のほうがレベルが上ですよね」
「まあ、対象がちがいますからね。石膏像は立派な美術作品なので、正しく描けば、美しいと思わせることが出来ます。木や石は、正しく描いただけでは、美しいと思わせることは出来ません」
「じゃあ、このあいだの杉の人はすごいですね。美しい!と思いましたもん。感激しました」
「・・・あ、あの・・・杉の人、ボクなんです」

先生の大学時代の作品だそうだ。
いい先生に出会えたようです。

今日の終わりに、先生が、「再来週から夏休みです」といったので、一瞬うれしいような気になったが、すぐ正気に戻ってがっかりした。
まだ、「夏休み」という言葉に、「喜び反応」してしまう。

「夏季特別講習」で、連日朝から受験生達がつめかけるのだ。
おじさんやおばさんに教えてる場合じゃないのだ。

せっかく「ミロのガンダム」から抜け出せたところなのに、残念である。