きのうは、美術研究所で石膏デッサン。
ミロのビーナスに挑戦中ですが、なかなかね。(ーー;)
いつも、浪人生二、三人と、社会人二、三人。
社会人も、それなりに真剣ですが、浪人生グループに漂う緊張感はひしひしと感じます。
きのうは、初めて見る老婦人が風景画を描いてた。
先生との話を聞いてると、この人は以前研究所に通ってて、手術のためしばらく休んでいたようだ。
この人と一緒に通ってた人も、やはり大きな手術のあと、今は休んでいるそうだ。
「○○さんも、歩けるようになったそうでよかったです」
カルチャーセンターでも、先日から女性二人が休んでる。
二人とも、ご主人の手術である。
カルチャースクール関係は、高齢化で大変である。
あるアマチュア美術団体の人が、「若い男」が絵を描かなくなったと嘆いてた。
私なんか、貴重な存在ですよ。
一昨日は、カルチャーセンターの「教室展」だったが、絵の飾りつけは、助手の先生と私。
先輩女性たちはノータッチ。
「若い男」だから仕方がない。
さて、研究所の浪人生Aさんは、おとなしそうな女の子で、この前、先生に叱られて泣いてた。
きのうは、水彩画を書いてた。
机の上に散らばったキャンディを描いてる。
色とりどりのセロファン、金紙、銀紙に包まれた、色とりどりのキャンディを実に見事に描いてる。
光と陰。
うまい!
感激しました。
Aさんが、描いた画用紙を持って、私の隣のイーゼルに置いた。
「先生、見てください」
緊張に震えそうな声を聞くと、こっちまで緊張してしまう。
先生は相変わらず厳しい。
「自分でどう思う?Aさんの悩みは?え?立体感が足りないかなあ?レベルの低い悩みやなあ!キミ、芸大に入りたいんやろ!?」
先生は、このようなことをガンガン言った。
Aさんは、またしくしく泣き出した。
先生は、私の「ミロのビーナス」を見た。
「お、いいですねー。彫刻的になってきましたねー。う〜ん、この髪の毛のあたり、もう少し空気遠近を意識して描くと、ぐっとよくなると思いますよ。あと、胸、首の筋肉のあたりですかね。全体、いい感じですよ!」
しくしく泣いてるAさんの横で、何だか卑劣な男に成り下がったような気分で、がんばれAさん!と心の中で叫びながら、ミロのビーナスをじっと見つめるのであった。