生まれて初めてバラの絵を描いてます。
描き始めてすぐ、美術予備校の先生に見てもらいました。
先生のアドバイスを聞きながら、私にはバラを描く際の常識が欠けていたと思いました。
バラを描く常識というより、花を描くときの常識、いや、静物を描く常識、というより、絵を描くときの常識が欠けていたと言ったほうがいいかもしれない。
芸術に関して言えば、常識に欠けるというのは、あながち悪いことではない。
いいとも言い切れない。
今回は、悪かったと思います。
で、先生の指示に従って描き進めてます。
悪戦苦闘中の私を神が憐れみたもうたのか、ふらりと立ち寄った高島屋の美術画廊で、なんと、「ローズローズローズ!」という展覧会をやってたんです。
「バラバラバラ!」です。
「バラバラバラ!」というと、なんのテーマもなく、各自バラバラに描いたような気がしますが、「高島屋のシンボルであるバラをテーマに一流画家にお願いした」作品展です。
バラがテーマなんです。
バラバラじゃなくて、「バラバラバラ!」なんです。
ぜんぶ小さな絵で、値段は、二、三十万から百数十万。
作家の経歴を見ると、東京芸大や武蔵野美術大学など一流美大卒、日展会員、サロンドートンヌ会員などという人が多い。
「無所属」という人もいます。
申し遅れましたが、私も無所属なんです。
生粋の、混じりけなしの無所属。
日展会員だったけど脱退したとか、二科会期待の新人と騒がれたけど、しがらみを嫌って飛び出したとかいうのじゃないです。
生まれつきの無所属です。
で、一流画家たちのバラの絵を見て、私のバラも負けてないなと思いました。
いや、いっしょに並べて負けてないというのじゃないですよ。
並べてもらえませんよ。
そうじゃなくて、たとえば、私の絵が高島屋美術画廊の入り口に落ちてたとする。
そして、「素人が初めて描いたバラの絵。F10号。拾った方に差し上げます」と書いた紙が貼ってあるとする。
それを見てから美術画廊に入って一流画家たちのバラの絵を見た人は、「お!さっき落ちてた絵、けっこういいじゃないか」と思うと思うんです。
「日展会員の80万円の絵を買おうかと思ったけど、さっき落ちてた絵にしとこうか」
こう言う意味で、負けてないと思うんです。
いじけて言ってるんじゃないです。
絵を描くのは楽しいんですが、作品がたまって困ってるんです。
誰か持って行ってくれないかなあ。(-_-;)