美術予備校の先生の所属会派のグループ展を見に行きました。
どの絵も、私よりはるかにうまいということは否定しようもない事実であった。
そして、私は自分の絵の方が好きだというのも否定しようのない事実であった。
誰も困らない事実であると思うのであった。
値段は、号3万から5万くらいで、一番大きな絵でも6号だから、最高30万円くらいの値がつけてあった。
一点だけ、壁掛けじゃなくて、画廊中央の豪華なイーゼルに乗った6号の絵があった。
特別出品だろうかと思いました。
会の長老とか。
しかし、名札を見ても、特別なことは書いてないなあと思いつつ、値段を見てびっくり。
「2千万円」!!!
こ、これはいったい・・・。
この人の絵はなぜ2千万もするのであろうか。
芸術院会員かな。
う〜む・・・バックに金が使ってあるな。
蒔絵みたいな感じ。
金、銀、ダイヤという感じでキラキラしてる。
それで2千万?
2千万円するほどの金が使われてるのか?
画廊の人に聞いてみようか。
いや、金額だけにこだわる俗人と思われる。
う〜ん・・・2千万・・・これが2千万。
顔を近づけたり離れたり、なぜこれが2千万かと悩みつつ見続けてたら、買う気があると思われたのか、画廊の人がそばに来た。
技法についていろいろ説明してくれました。
やはり、蒔絵みたいなもので、金が使ってあるようです。
金が使ってあるから2千万なんですかと聞こうと思ったら、画廊の人が、「あれも、この先生の作品です」と、壁の絵を指さした。
壁にかかった同じ作者の4号の絵を見ると、16万円。
ということは、号4万。
この絵は6号だから、24万円。
24万・・・。
おお!
そうか!
2千万じゃなくて24万だったのか!
「千」と「4」は似てるのだ!
まぎらわしい書き方するな!
なぜこの絵が2千万かと聞かなくてよかった!
笑いものになるところであった。
よかったよかった!