朝日新聞でこの本の英語版が紹介してありました。
発売初日に100万部売れたそうです。
著者の父親がトランプ大統領の兄で、著者は大統領の姪です。
「わが一族はどのようにして世界で最も危険な男を生み出したのか」というサブタイトルがついてます。
読む気なし。
これ以上トランプさんのことを知ってもイヤになるかハラたつか気の毒になるか、まあ知らなくてもいいというか知らない方がいい。
著者にとってトランプ一族は父のカタキで憎んでも憎み切れないみたい。
例によってアメリカアマゾンでの評を見ました。
さすが初日で100万部だけあって、なんと、1万5千ほどの評が入ってます。
絶賛を読んでもしかたないので例によって最低評価を読む。
「著者には同情するけどもうちょっと書きようがあったのじゃないか」という意見が多い。
著者によればお父さんはトランプ一族にいじめ抜かれてアルコール依存症になって遺産もろくにもらえず死んでしまったそうですから憎さ余って憎さ百倍なんですね。
アマゾンで驚いたんですがこの本の「要約版」が何冊も出てるんです。
この本は240ページほどですが、それを30ページとか50ページにまとめた本です。
そんなのありなんですね。
昔、アメリカの出版界ではまず「要約版」が出てそれからホンモノが出ると読んだことがあって、意味がよくわかりませんでした。
失礼ながらこんなキワモノの要約版を買う人がいるのかと思ってたら、アマゾンの書評欄で、「ホンモノは高いしどうせたいしたこと書いてないだろうから安い要約版を買った」と書いてる人がいました。
話題の本を一応読んだ気になりたい人が買うんでしょうか。
「要約版」の商品価値がよくわかりません。
で、「安いから要約版を買った」と書いた人が、「こんなもんタダでもいらん!」と怒ってます。
文章になってないそうです。
要約版を買った人が何人も怒ってる。
中学生以下の英文と書いてる人もあるし、英語が母国語の人間が書いたんじゃないだろうという人もある。
実にひどいシロモノのようです。
もっと不思議な本がありました。
「『世界で最も危険な男』で記憶すべき言葉」という題の本です。
どんな本か。
『世界で最も危険な男』のなかの印象的な言葉がならんでると思いますよね。
ちがいます。
中身は真っ白なんです。
印象に残った言葉を自分で書きつけるための「本」なんです。
本というより「特製読書ノート」ですね。
たぶんこういうシリーズがたくさん出てるんだと思います。
「要約版」といい「特製読書ノート」といい、アメリカ出版界、ナゾである。