この本を読んで感心したのは、「よく調べた!」ということです。
「公正証書」みたいなのを調べまくって、「フェルメールとその周辺」のことを調べ上げた。
もう一つ感心したのは、フェルメールという人は、「その周辺」が非常にガタガタゴタゴタ騒がしかったのに、よくもまあ、ああいう静かな絵が描けたもんだということです。
もう一つ感心したのは、オランダ人の名前がややこしいということです。
Tryntje Isbrantsdrとか、Gybrecht van der Hoeveとか、こんなのがぞろぞろ出てくる。
人の名前というより、メールアドレスかパスワードみたい。
フェルメールのことだけ書いてあるならいいんですが、「その周辺」に手を広げてるから、名前がいっぱい出てくる。
読む気しないし、読んでもおぼえてられない。
名前が出てきただけでイライラする。
著者によれば、フェルメールは生涯60作ほど描いただろうということです。
まあまあの値段で売れたみたい。
フェルメールの作品を20点ほど持ってる人もいたというから、ファンもいたということですね。
それでもずっと借金まみれだった。
父親の借金まで抱えてた。
両親、祖父母、一族堅実な人たちではなかった。
堅実ではなかったが、結束は固かった。
危険ですよ。
保証人になったり借金を肩代わりしたり。
そんなこんなで、フェルメールは、画家組合の入会金を全額払うのに3年かかった。
死んだとき、パン屋のツケは3年たまってた。
未亡人は「自己破産(?)」して、福祉団体に「子育て手当」を申請した。
周囲の信頼は高かったようで、画家組合では、二度、「理事」を務めてるし、他の町から、絵の鑑定を頼まれてる。