若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

映画研究部

大学のころというと、50年前のことなので、記憶はあやふやなはずなのに、はっきりくっきり思い出すというのは不思議なもんです。

「映研」のYさんのことを突然思い出した。


私は大学でも美術部だったんですが、部室が映画研究部と共同だったので、映研の人たちとも親しかった。

私が入った年、美術部は新入生が7、8人いたけど、映研は一人だった。
広島出身のA君です。
大柄な男で、「〇〇館」の出身だといいました。(なんとか館だったと思うんですが、忘れました)

「むずかしい名前の高校やねえ、どんな字を書くの?」と聞いたら、目を丸くして、「え〜〜!〇〇館、知らんの!?」と驚いてました。


映研の人たちは、みんないい人で、中でも4年生のYさんは、いつもにこにこした楽しい人で、すぐに親しくなりました。

私は、アパートの四畳半に暮らしてたんですが、ある晩ドアがノックされて、開けたら学生服の男性で、アパートで時々見る人でした。


「学生同士で話がしたい」というので、部屋でいっしょに話しました。

いろいろ話してるうち、彼が某新興宗教の信者で、勧誘に来たんだとわかりました。
入る気はないと断りました。


しばらくすると、またやってきたので部屋で話を聞きました。

今度来たら部屋に入れないでおこうと思ってたら、またやってきました。

ドアを開けたら、彼の後ろでYさんがニコニコ笑ってたので驚きました。

Yさんも某新興宗教の信者だったんです。

困ったもんだと思ってたら、しばらくして、Yさんが数人連れでやってきた。
知ってる顔もあるなあと思ってたら、ウチの大学の某新興宗教の人たちだったんです。

Yさんは、にこにこといろいろ宗教の話をしました。


そういう話には関心ないと言ったら、Yさんは、その宗教の信者がいかに多いか話し出した。
一流企業にもたくさんいる。
その宗教に入ったら、出世に有利になる。

いかにも朴訥な好人物と言った顔のYさんが、にこにこというのでカックンとなった。

そして、集会に来るよう誘われた。

集会には若い女の子もたくさんくるよ。
ガールフレンドもできるよ。

いかにも朴訥な好人物と言った顔のYさんがにこにこというのでしみじみしました。

映研の部室では、Yさんはそういう話は一切しなかった。


しばらくすると、Yさんは、学生を十人ほどと「地域の責任者」みたいなおじさんを連れてきた。
四畳半に。

入る気はないと言ったら、おじさんは、「あんたみたいな考えではだめだ」と言って帰った。

Yさんは、某金融機関に就職したとのことでしたが、どうされてるでしょうか。