「あん」には「つぶあん」と「こしあん」があって、「つぶあん」が本来の姿で、本来の姿をとどめえなくなったなれの果てが「こしあん」である。
これが私の子供のころから一貫した主張である。
早い話が「つぶあん」が好き。
「ぜんざい」という立派なものがあるのになぜ「しるこ」という情けないものがあるのか不思議であった。
早い話が「ぜんざい」が好き。
ボ~ッと立ってたと言っても私の立ち位置は決まってる。
「本家菊屋」の看板の前。
「本家菊屋」は創業四百有余年、奈良で最も古い和菓子店である。
手土産に「銘菓菊の寿」でも持って行けばまちがいないというか文句ない。
伝統と格式を重んじる私にふさわしい定位置である。
立ち位置もいつも通りならボ~ッとしてるのもいつも通り。
見慣れた看板だけどまともに見てない。
「もなか」の写真である。
「鹿もなか。奈良にふさわしい鹿の焼き印。漉し餡使用」
あれ?と思った。
鹿の焼き印が奈良にふさわしいのはわかるけど「漉し餡」は?
まさか「漉」の「鹿」ですか。
本家菊屋がそんなダジャレみたいなこと言うかな。
電話して聞いてみます。