はなちゃんが『西の魔女が死んだ』という本を読んでおもしろかったというのを聞いて、ウチにある本だと勘違いしてしまった。
それも非常に具体的にはっきりと勘違いして、岩波の「海外童話シリーズ」みたいなかっちりした本の形まで思い浮かべた。
他の「海外童話シリーズ」といっしょに本棚に並んでるとこまで思い浮かべてしまった。
なぜそんな勘違いをしたのかわからんけど思いこんでしまった。
で、家内が読みたいというので本棚を調べたけどなかった。
なくて当たり前なんだけど、誰かにあげたんだ、と勘違いは続いた。
で、本屋に買いに行った。
ちょっと大きな本屋なので自分で探すより店員に言ったほうが早いと思って女性店員をつかまえた。
「童話なんですけど、『西の魔女が死んだ』という本はありますか?」
「あったと思いますけど」と本棚に行くかと思ったらパソコン。
「あ、ありました。童話じゃないですけどね」
童話じゃない?
それはちがう本だと思いました。
海外で有名な童話と似たような題をつけた別の本だと思いました。
「いや、童話です。小学6年生の女の子が読むような・・・」
「それくらいの年頃のお子さんがよく買ってます」
勘違いの思い込みというのは強いもんで、「いや、ちがうと思いますよ」となおも言い張る。
女性店員は自信たっぷりで、「これだと思います。よく売れてます」と新潮文庫の棚に行って1冊取り出した。
文庫版『西の魔女が死んだ』を見てカックンとなった。
これかいな?
なんちゅうか、安っぽい。
これまで文庫本を安っぽいと思ったことはありません。
ところが、「はなちゃんが読むには安っぽい」と感じてしまった。
はなちゃんには「豪華特装版皮表紙仕様」で読んでもらいたい。
こまった爺さんである。
家内は、文庫本だと言ったでしょ、童話じゃないと言ったでしょ、と言うんですが、聞いてません。