若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

『吾輩は猫である』、あるいは青と緑

年末に本棚を見ていて、アレッ!?と思いました。

岩波文庫の『吾輩は猫である』が、なんかおかしい。
なんかヘンである。
どこがおかしいのか・・・?

おお!本の背の色がおかしい。

岩波文庫は、本の背の色で一応のジャンル分けをしてある。
赤だと外国文学、黄色は日本古典文学、緑は日本近現代文学、青は哲学とか自然科学、というふうになってる。

で、なんとなく見ていた『吾輩は猫である』の色が、青だということに気付いたんです。
これはおかしい。
夏目漱石は「緑」のはずだ。

ウチにあるのは、「1990年4月16日改版第一刷」というものである。
それまで愛読していた文庫本が読みづらくなったので新たに買ったのである。

漱石だけ、いや『吾輩は猫である』だけ、「青」なのか。
しかし、背の青い色の部分には、「緑10-1」と、色と記号が印刷してある。

やはり、本来緑のものが、手違いで青になってしまったのか。
しかし、岩波文庫の色を印刷し間違って、それがそのまま本屋にならぶだろうか。
印刷会社での検品もあるし、岩波での検品もあるだろう。
書店で並べる時にも気づくはずだ。

いや、買った私が繰り返し読んでいるのに、20年近く気づかなかった。
関係者も気づかなかったのかもしれない。
出荷してから気づいたけど、「リコール」するほどのことじゃないので放ってあるのだろうか。

どうでもいいようなことだけど、気になるので岩波書店にメールで問い合わせてみました。

やはり手違い、色まちがいのようです。
過去には、色が微妙にちがうことはあったようです。
完全な色ちがいがあったかどうかは書いてなかった。

岩波書店に保存してあるものを調べたら、やはり青だったそうです。
気づいてなかったんですね。

まあ、岩波文庫に使ってる色だから、気づかなくても不思議ではないか。
これが、茶色とか、オレンジとか、ショッキングピンクとか、岩波文庫で使ってない色だったら誰かが気付いたでしょう。

本棚に他の岩波文庫と並べて置いていて、20年間繰り返し手に取りながら気づかなかった私もうっかりだし、定番中の定番というか看板商品の色ちがいに気付かなかった方もうっかりですなあ。