若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

小磯良平「T嬢の像」を見る

小磯良平の若き日の名作「T嬢の像」の模写をはじめたものの、なかなか進まない。
まあ、私にとっては超大作の50号ということもあってもてあましているともいえるが、画集の絵を見ていて、どんな感じの絵かぴんと来ないのも事実であった。

兵庫県立美術館で展示されていると知って行ってきました。

人類初の宇宙飛行士ガガーリンの第一声は、「地球は青かった!」。
「T嬢の像」の前に立っての私の第一声は、「『T嬢の像』は青かった!」。

画集で見る「T嬢の像」は全体にピンクがかっている。
全然ちがうではないか。
印刷だからしかたがないとは言うものの、もうちょっとなんとかならんのか。
美術館で買った絵葉書は現物に近い色だ。

私も印刷関連の仕事をしていたから、色々経験はしてます。
二、三十年前、真っ赤なスポーツカーの写真を印刷するのに立ち会ったことがある。
全部で二万枚印刷したのだが、一万枚くらいから真っ赤なスポーツカーがだんだんオレンジ色になってきた。

緑深い森がだんだん青い森になったこともある。

スポーツカーや森ならいいけど、いや、よくないけど、絵の色合いは厳しくチェックしてもらいたい。

画集と現物とでは、当然とはいえ迫力もちがいました。
画集で見ると日本画風にも見えたけど、こてこての油絵でした。

さあ、現物を見たからにはそれなりの模写ができるのだろうと思うのは素人の浅はかさであって、そんな簡単な話ではありません。

同じ美術館の、「ウイーン美術史美術館所蔵、静物画の秘密展」も見た。
これは面白くない展覧会であった。

上手に描いてあるが暗い。
昔は電気もないし実際に暗かったのだろうが、部屋に飾りたいような絵はなかった。

男が二人、にたにた笑いながら酒を飲んでいる絵があった。
「節酒」を訴える絵なのだろうか。
とにかく気持ち悪い。

「親子で楽しむアート。現代美術の世界へようこそ!」という展覧会もやっていた。
ラクタ、あるいは粗大ごみと思える「現代美術作品」が並んでいた。

子供をなめているな、と思った。

バイクに金色のペンキを塗った「作品」があった。
子供はこんなものより、新型のぴかぴかのバイクを楽しむと思います。

色々勉強になった一日であった。