若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

隠岐の海

大相撲中継を楽しみに見てます。

「しこ名」というのがいい。

相撲史上最高のしこ名は「魁皇」だと思います。

後白河法皇のご落胤説も流れるほどの由緒ありげな妖しい名前です。

しこ名には「伝統派」と「わけのわからん派」がある。

今場所大活躍の「阿炎」なんかは「わけのわからん派」ですね。

なんのこっちゃ?と思う。

阿炎の親方の「錣山」(しころやま)もわけわからん。

親方は現役時代は「寺尾」という素っ気ないしこ名だった。

しかし寺尾の前は「源氏山力三郎」というわけわからんしこ名だったのもわけわからん。

 

私の好きな「玉鷲」もわけわからんと言えばわけわからんのですが、出身のモンゴルでは若きチンギスハンの夢に中国皇帝の象徴である玉をつかんだ鷲が現われて世界征服の野望を抱くようになったという伝説があると言われるともっともらしいと思うけどどうなんでしょう。

「伝統派」と「わけのわからん派」の合わさったのは「御嶽海」で、出身地木曽の御嶽山までは完全伝統派だけどそこに「出羽の海部屋」の「海」をくっつけたから一気にわけがわからなくなる。

伝統派の代表は「隠岐の海」。

隠岐の島出身で隠岐の海と言われたら納得するしかない。

ケチのつけようがない。

歴史を感じさせる堂々たるしこ名であるし王朝文学風の優雅ささえ感じさせる。

「『隠岐の海』の下の句は?」と聞かれたら自然に「人には告げよ海人の釣り船」と出てくるし、『古今集』にも隠岐の海という相撲取りを詠んだ歌があると言われれば納得だし、『源氏物語』にも光源氏隠岐の海をひいきにしていたというエピソードが出てくると言われたらそんな場面もあったなと思うし『風土記』に出てくると言われたら、ほほ~、古いしこ名なんだと感心するだけである。

とにかく「隠岐の海」は完璧です。

隠岐の島水産高校の出身というんだから手が付けられない。

ただ残念なのは「隠岐の海歩」というんです。

「歩」が本名だからしかたないと言われればそれまでですが、ここはやはり「隠岐の海泳」にしてほしかった、いや、すべきだ!と思うのは私だけではなかろう。