バイデン大統領が「プーチンのような男が権力の座にとどまってはいけない」と演説したそうです。
「プーチンは戦争犯罪人」とか「殺人者」とかいろいろ言ってる。
その通りだと思いますがアメリカの大統領が言うのはまずいんじゃないでしょうか。
アメリカの政治学者アンドリュー・ベースビッチの『幻想の時代:アメリカはいかに冷戦の勝利を無駄にしたか』を読んでます。
ウクライナ問題の背景を知るには冷戦の終わりくらいから勉強すればいいだろうと思って読み始めたんですが、そんな本ではなかった。
「憂国の書」でした。
アメリカはなぜこんな国になってしまったのだ!という著者の激しい感情をぶちまけた本です。
とにかく当たり散らしてるという感じなんですが、繰り返し「エリートたち」を非難してる。
エリートたちのトップが大統領です。
ウッドロー・ウイルソンは第1次大戦後の平和な世界の建設に向けて14か条の指針を世界に示した。
著者によれば、ウイルソンは歴代大統領中最も傲慢な男ということになる。
時のフランス首相クレマンソーは「神様が10戒なのにウイルソンは14?」と首をひねったそうです。
ウイルソンのあとはアメリカ大統領は単にアメリカの指導者だった。
ところが第二次大戦後東西冷戦がはじまるとアメリカ大統領は西側諸国の指導者として世界の自由と民主主義を守るのだということになった。
著者は、合衆国憲法にそんなことは書いてないと批判してます。
それだけでもおかしいのに冷戦が終わるとアメリカ大統領は全世界の指導者だということになった。
今やアメリカ大統領はローマ法王なみの権威を持ち世界最強の軍隊を率いる軍閥の親玉である。
世界最強の軍隊となるとどうしても使ってみたくなる。
徴兵制ではなくなったし空爆重視で兵隊の被害は減ってるし、たまに誤爆で民間人が少数死ぬだけだから大統領としては武力行使に対する抵抗は少ない。
勝てる戦いかどうかさえ考えていないのではないか。
読んでて、アメリカの大統領、だいじょうぶかなと心配になる。
神がかり演説が多い。
心配になったところでバイデン発言。
う~ん、アメリカだいじょうぶか。