トランプ現象というかトランプ旋風というか、アメリカでは大変だったみたいです。
アメリカの政治学者アンドリュー・ベースビッチは本当にトランプがキライだったみたいで『幻想の時代』の中で何度もぼろくそに書いてます。
しかし、学者だけあって冷静にぼろくそに書いてる。
しかし、ものたりなかったみたいでほかの人のえげつない意見を引用してる。
トランプと2016年の共和党の大統領候補の座を争った上院議員テッド・クルーズのトランプ評を紹介してます。
「トランプという男は泣き虫の臆病者のくせに声だけ大きくて弱い者いじめをする病的なウソつきで色キチガイで道徳観念のかけらもない」
この評についてベースビッチは「トランプを知ってる人ならその通りだと思うだろう」と書いてる。
「よく言ってくれた!」という感じ。
まさかと思ったトランプが当選してからがまた大変だった。
評論家学者ほぼ全員が「この世の終わり」という感じだった。
チャールズ・ブロウというジャーナリストがニューヨークタイムズに書いたコラムを紹介してる。
この人はトランプ当選から1年間にニューヨークタイムズに88本のコラムを書いた。
そのうち56本がトランプ大統領を名指しで非難するものだった。
「トランプという男は偏狭でまがいものの詐欺師で狂人で退廃的で人種差別主義者で真実の最大の敵である」
「大統領は災厄の王であり悪意の首領でありアメリカの知性に対する侮辱である」
ベースビッチはこの評についても「異議を唱えるつもりはない」と書いてます。
やっぱり「よく言ってくれた!」という感じ。
トランプ大統領誕生後のアメリカのマスコミはず~っとこんな感じだったみたい。
毎日朝から晩まで大統領の失言、失態、ヘマ、ドジを流し続けた。
これが悪かった、というのがベースビッチの意見です。
これでトランプ大統領は自分が大物だと思いこんでしまったというんです。
善悪の観念がないので取り上げられることに価値がある。
どんなことをしてもカネをもうけて名前が売れたものがえらい。
トランプだけじゃなくてアメリカがそういう社会になってしまってる。
そういう意味ではトランプはアメリカにとってふさわし大統領だったというのがベースビッチの結論です。