朝刊の記事。
先日行われた大和郡山市の「全国金魚すくい選手権大会」での不正が発覚した。
今回団体優勝した埼玉のグループのメンバーの一人が、正規の「ポイ」(金魚をすくう道具)を使用せず、隠し持った「違法ポイ」を使ったというのだ。
この人は53歳の会社員で、過去二回個人優勝の経験があり160匹という最高記録の保持者でもあるのだ。
主催者側は「あれだけの技術を持った人が・・」と首をひねっているそうです。
どれほどのウデかというと、この人の影が水に映っただけで金魚たちが水槽から飛び出して走って逃げていくほどらしい。
新聞の記事は「たかが金魚すくいで」というニュアンスが感じられたが、なんとなく哀れを誘う話である。
「金魚すくい大会選手権保持者」という名誉が彼に道を踏み外させたのである。
この人は、記録を抹消され金魚すくい界から永久追放という厳しい処分を受けた。アジア大会や世界選手権などにも出場することはできない。
オリンピックも金魚すくい大会も似たようなもんである。
「ズル」はしたくないもんです。
あまりかんかんになりたくないもんです。
私の「ズル」を告白しよう。
ヤマハの発表会でギターを弾くとき「ズル」をしたことがある。
ギターソロで、一部分だけ物凄く速いフレーズで指がどうしてもついていけないことがあった。
その部分だけ、私の弟子のせんべー君に弾いてもらったのである。
せんべー君は「サイドギターです」という顔で私の後ろで控えめに弾いている。
そして、問題の箇所になると、私といっしょにリードギターのパートを弾く。
聞いている人には私が弾いているとしか思えない。
聞いている人だけではない。
私も自分が弾いているかのごとき錯角に陥る。
一瞬、「アレッ!弾けてる!せんべー君に頼むんじゃなかった!」と思ってしまう。
せんべー君の見事な腕に感心する。
そうしょっちゅうやっているわけではないし、ヤマハポピュラーミュージックスクールで禁止されている行為でもなさそうである。
これが見つかったからといって停学とか退学とかいう処分を受けることはないと思う。