若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

重大判決

先日、朝日新聞奈良版に重大な判決の記事があった。
奈良地方裁判所の「ポイすり替え認定」判決である。「ポイ」というのは金魚をすくう道具だ。なぜ「ポイ」というのかだけでも大問題であるが、ポイにからんだ大事件に関する判決が出たのだ。

2003年に大和郡山市で行われた「全国金魚すくい選手権大会」の団体戦において、優勝チームの選手が主催者指定のポイを使わず、自分が持ち込んだポイを使ったということで優勝を取り消された。
この人は前年には個人戦で優勝するなど、「全国金魚すくい大会」では有名な選手だったのであるが、主催者側はこの人の過去の記録もすべて無効として抹消することを決定した。

これに対してこの人は、ポイはすりかえていない、主催者の用意したものを使ったと主張して、記録の取り消しの取り消しを要求、名誉回復を求めて裁判を起こしたのであった。

裁判で重要な決め手になったのは、主催者側が撮影したビデオ映像だ。
この人は有力選手として注目を集めていたからか、あるいは以前から「ポイすり替え疑惑」があったからか、競技会場に入場するところからじっくり撮影されていたのである。
ポイは、競技が始まる前に、主催者が用意したものの中から選手達が選ぶことになっている。ところが、この人が、ウチワとタオルの間にポイをはさんで、堂々と入場する勇姿がはっきりくっきりと撮影されていたのだ。前の年の、個人戦優勝のときのビデオにも同じ姿が映っていた。

というようなわけで、奈良地方裁判所はこの人の訴えを棄却した。こういう「事件」を裁くのはどんな気持ちか裁判長に聞いてみたい。やはりおごそかに、「ポイすりかえはあったものと認定する!」と宣告するのだろうか。
あるいは、ちょっと笑いながら、「あんたな〜、ビデオ見てみーや。あんだけはっきり写ってたらしゃーないやろ」てな感じだろうか。

いずれにせよこの人は金魚はすくえたが自分はすくえなかったのだ。