若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

大量破壊兵器、存在せよ!パート2

イラク大量破壊兵器に関する米国調査団のチャールス・ドルファー団長(中央情報局特別顧問)が、イラク大量破壊兵器は存在しないという最終報告を発表した。

大量破壊兵器はあるに違いないと信ずる、正義と自由と民主主義とを愛する世界人民のかすかな望みを打ち砕く冷酷残忍無慈悲な発言だ。

この発言を受けて、細田内閣官房長官は、「大量破壊兵器がなかったということは結構なことです」と語った。

たしか、「不思議の国のアリス」に似たような話があったのではないか。
「ハートの女王」とかいう恐ろしい女王の国では、判決が先で裁判が後だったと思う。
で、この女王は、とにかくやたらに有罪を宣告する。
「有罪!有罪!」とうれしそうに叫ぶ。
家臣が心配そうに尋ねる。
「もし無罪だったらどうするんですか」
「無罪?!無罪なら大変結構ではないか!」

ブッシュ大統領は、「ハートの女王」よりすすんでいる。
判決が先で裁判が後ではなく、刑の執行が先で裁判が後だった。
多くの人がブッシュ大統領により死刑を執行されたが、無実であるとわかったのだ。

ブッシュ大統領フセイン元大統領に祝電を打った。
「あなたの身の潔白が証明されたことを心からお喜び申し上げますとともに、今後ますますのご健勝とご発展をお祈り申し上げます。私は、合衆国大統領として、あなたの無実を証明するために、微力ながらお手伝いできたことを誇りとするものであります」

後先逆といえば、こんな格言を思い出す。
「世の中は学校だ。
 非常に厳しい学校だ。
 そこでは試験が先で授業が後だ」

大量破壊兵器がなかったという発表では、こんなことを思い出す。
子供のころ、よくかくれんぼをした。
どう探しても、うまく隠れて見つからない子がいるものだ。

そういう時、オニは、「甘い」と宣言する。
「あーまいー!あーまいー!」と叫ぶ。
あきらめました、降参です、出ておいで、という意味だ。
今にして思えば、なんともいい言葉ではないか。

チャールス・ドルファー団長は、子供のころ進駐軍の父親について大阪で暮らし、よくかくれんぼをした。
あの発表は、かくれんぼの「甘い」かもしれん。
あきらめました、降参です、と言えば、安心して大量破壊兵器が出てくると思っているのかな。