若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

いかがわしい歓送会

高校のときの友人O君、Kさん、Sさん三人と飲む。

O君が退職して石垣島に住むというので、歓送会をしようと本人が言い出したのである。
O君は、私が高校二年のときはじめて酒を飲んだ時のメンバーで、昔から人を煙に巻くようなことを言う男である。
人を煙に巻くつもりで、自分が巻かれてしまっているところがある。
たとえて言えば、絶えず両手に発煙筒を持ってめちゃくちゃに振り回しているような男なのである。
だから、「退職して石垣島」というのも、私は半信半疑である。

どうも、何人もの友人に声をかけて、何度も歓送会を開かせているみたいである。
もっと名残を惜しまれると期待していたのに、全然惜しまれないので、やけくそになって名残を惜しんでくれそうな人に手当たり次第に声をかけているようだ。
私に声をかけてどーする。
完全に人選を誤っている。
自分が煙に巻かれてしまっているからそういうことをするのである。

六月で退職したそうだが、元の職場に行くと皆喜んでくれると言う。
私は、それはおまえが顔を出したのを喜んでいるのではなくて、おまえがやめたことを喜んでいるのだと説明してやった。
顔をしかめて納得していた。
理解力と想像力に欠ける男なのである。

あとの二人は女性である。
この人たちは、コンピュータの勉強をするために、今年単位制の高校に入学して、若者たちにまじって勉強している。
二人は、「現役の女子高校生」というのを売り物にしているのである。
「女子高校生」を名乗りたくて入学したのではないかと思う。
事実、女子高校生なのであるから、そう名乗ったところで詐欺ではない。と思う。

現役女子高校生のSさんがO君に
「これから新しいドラマが始まるのね」
と、まるで女子高生みたいなことを言った。
彼が真に受けそうなので私は口をはさんだ。
「新しいドラマなんか始まらない。ドラマもコマーシャルも終わって、放送時間もすんで、画面にシャーッと線が走ってる状態が始まるのだ」
顔をしかめて納得していた。

昨日の会は、他人や自分を煙に巻く男が、自分で自分の歓送会を招集して、自称現役女子高校生たちがお相手するという、非常にいかがわしい会であった。