若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

歌会始

昨日、宮中で歌会始の儀が執り行われた。

去年までの私なら「関係ない」で済ませたが、今年はそんな呑気なことを言える立場ではなくなってしまった。

家内が去年短歌の会に入った。
朝日新聞の「大和歌壇」の選者が講師で、中高年の女性が二十数人という会である。作品を見ると、とんでもないモノとまあまあの歌が混じっている。
その会の会員の歌が、二万首以上の応募作品の中から栄えある詠進歌十首の内に選ばれたのである。

こうなると、私がいくら歌会始と関係ないと言ったところで、世間は納得しないであろう。
関係者として歌会始について書いてみる。

今年の御題は「幸」

ウチの東庄日出子さんの作品

人の世の幸みまもりし盧舎那仏その大屋根に月さえにけり

歌会始にふさわしい立派な歌である。
他の歌が身の回りの細々した「幸」を歌っているのに対して堂々としている。
「大和歌壇」で見たら見過ごすかもしれんが、歌会始という場を得て生きた歌である。

今年の「召人」は大岡信さん。
子供の頃、ラジオで「うたかいはじめのめしゅうど」と聞いて「飯人」だと思った。天皇陛下にご飯をよそう係りの人だと思ったのだ。

大岡さんの歌。

いとけなき日のマドンナの幸っちゃんも孫三たりとぞeメール来る

情けない!
全員起立!皇居に向かって「情けない」三唱!

なさけなーい!
なさけなーい!
なさけなーい!

着席。

歌会始であるぞ。
天皇陛下の御前である。
全国民に披露されるのである。

「マドンナ」!「孫」!「eメール」!
川柳か!?演歌か!?
敷島の道を汚すにもほどがある。
ウチの東庄さんの歌とえらいちがいだ。

「しばいたろか!」と思う心を歌に詠んでみた。

賞金王タイガー・ウッズが踏みしめししばいたろかと思いけるかな

鑑賞の手引き
「しばいたろか」という激しい怒りの心を表に出さず、新春にふさわしく「賞金王」というめでたい言葉で歌いだした。以下、「踏みしめし」までは「しば」を導く序詞。伝統的な高度な技法を味わってほしい。「タイガー・ウッズ」によって、ボールをたたく彼の鋭いスイングをイメージさせ、「しばいたろか」という作者の思いの激しさを想起させる。

大岡さんの歌でなんとか使えるのはココだけ。

大岡さんのマドンナって、まどんな人?
え〜かげんにしなさい!
ほんとにネッ!