昨日は高校時代の友人、S君、O君と飲んだ。
もっと大勢で飲むことが多いし、S君と二人で飲むこともあるが、三人で飲むのは初めてだ。
私たちは高校一年のとき同じクラスだった。
S君とO君はサッカー部で、二人は時々いっしょに飲んでいるようだ。
待ち合わせ場所から彼らの行きつけの店に行くことにする。
店に着いて驚いた。
私が美術部の後輩のT君といつも来る店ではないか。
入っていくと主人が目を丸くして私たちを見て、どういう関係かと聞いた。
いつも別々に来るのがいっしょに来たのだから戸惑ったのも無理はない。
高校の美術部のアトリエからは運動場がよく見えた。
私がアトリエで静かに絵筆を振るっていたとき、彼らは炎天下を走り回っていた。
サッカーボール一個あれば機嫌よくいつまでも走り回っていた。
私が、芸術や人生について思索にふけっていた時、彼らは何も考えず走り回っていた。
大事な成長期に直射日光を浴びた上、ヘディングで頭に衝撃を受け続けたので、気の毒だが二人ともちょっとおかしい。
飲み友達にはラグビー部やバレーボール部など運動部員が多いが、みんなおかしい。
直射日光とボールが頭に当たった後遺症だろう。
私たちの高校の運動部は、夏休みに学校に泊り込んで合宿をした。
宿泊施設はないから教室で雑魚寝だ。
新聞紙くらいは敷いていたのだろうが、実に不潔で汚らしかった。
私も夏休みに学校で絵を描いたが、彼らに近寄る気はしなかった。
アトリエの不用物をゴミ捨て場に運んだことがある。
焼却炉の周りはゴミだらけだった。
その中にサッカー部の縞のジャージが捨ててあるのが見えた。
あんまりきたないから捨てたのだなと思ってよく見ると、ジャージが捨ててあるのではなくてゴミの中でS君が気持ちよさそうに昼寝をしていたのだ。
運動部員というのはそんなものだ。
S君もO君もそんな名残が残っている。
四十年もたつというのに恐ろしいものだ。
私が男の運動部員に対して持っているイメージは、「粗野、ノーテンキ、不潔、くさい、皮膚病」というものだ。
時々飲むメンバーには、ハンドボール、バレーボール、バスケットなど女性の運動部員も多い。
私が女性の運動部員に対して持っているイメージは、「健康、清潔、さわやか、はつらつ」というものだ。