若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「思い出のグリーングラス」

きのうはヤマハの発表会。

この日記の読者の中にも固定ファンの多い、安森さんじゃなかったY森さん改めYさんの歌とギター、そして私のギターで「思い出のグリーングラス」をやった。

今度はどんな失敗をしでかすかと期待しておられる方も多いと思うが、今回はあんまりなことは書けない。
奥さんが来ておられて、この日記を読んでいると言われたからだ。
奥さんはYさんより30歳くらい年下だろうか、30代半ばと思える知性的な美人だ。
Yさんがヤマハに来て4年、夫のステージには色々つらい思いもあったはずが口には出さず、じっと耐え忍んでこられた典型的賢夫人だ。

Yさんと私はかなり早い時間に会場に行った。
尊師がサウンドチェックをしたいと言われたからだ。不安を抱えたYさんとしては本番前に演奏できるので渡りに船である。

さて、サウンドチェック用に演奏するときYさんがエレアコを取り出したので、いやな予感がした。エレアコというのはエレキギターアコースティックギターの中間品で、かなり大きな音が出る。
大きな音でヘンなリズムで弾かれると、よりいっそう引きずられる恐れがあるではないか。

先週の最終レッスンのときも、Yさんの歌とギターは完全にずれていて、私がどうあがいても合うわけがなく、尊師は私に「Yさんの歌もギターも聞かないようにして弾かないとダメです!」と強く言われ、私は、それで伴奏と言えるのだろうかと疑問に思ったのであった。
エレアコの音量は無視することはできない。

演奏を始めて、Yさんがこの三日の間にかなり悪化したナ、と思った。
最終練習のあと、Yさんは「スタジオにこもって練習しとく」と言われた。案の定それが裏目に出たようだ。

昔、ご飯を炊くときの要領を「始めちょろちょろ中ぱっぱ赤子泣いてもふた取るな」と言ったが、Yさんの歌は「始めもたもた中ズレズレ赤ちゃん泣いてもわしゃ知らん」という感じだった。
非常にいやな予感がますますふくらんだままサウンドチェックが終わった。

そしていよいよ本番。
ステージに並んでYさんの準備が済むのを待って、弾き始めようとした私に、Yさんが突然「なんかしゃべって」と言った。
不安気な、引きつったような笑いを浮かべている。

ものすごーくいやーな予感がした。