私が乗るバスの停留所は公園の前にある。
公園のケヤキにカラスがとまっていた。
ケヤキの枝を折っている。
くちばしではさんでポキポキ折っている。
はじめは小さな枝だったがどんどん大きな枝を折る。
ポキッ!ポキッ!と音を立てて折る。
折られた枝がケヤキの根元に散らばっている。
カラスさん、あんたはいったいなにしてるんですか。
人間がポリエチレンのクッション材のぷくっとふくれたのを、意地になってプチプチつぶしているような感じだ。
カラスも、何気なく一本折ったらやめられなくなったのかもしれない。
あるいは、きのうのカラスのように、えさを取りそこなったところでいらいらしているのかもしれない。
そのうち、ふわっと飛び立った。
セミを見つけたみたいだ。
飛んでいくセミを追いかけていくと思ったら、カラスがあわてて逃げ出した。
セミみたいだと思ったがセミではなかったのだろう。
アブか蜂だったのか。
なんと、逃げるカラスを虫が猛然と追いかけた。
虫に追いかけられて逃げるカラス。
なんだかこっけいである。
カラスには悪いが笑ってしまいました。
カラスがあわてて逃げる虫。
いったいなんでしょうか。