さて、「鹿せんべいツイスト」であるが、衣装は前回の「エバラ焼肉のタレ黄金風」から「純白金モール星の王子様風」にかえた。
控え室で礼服から着替えて待っていると、係員が確認に来た。
甥のときは、会場がレストランで、進行係の女性は、エバラ焼肉のタレ黄金風衣装にサングラスの私を見て声をあげてひっくり返ったが、今回はさすが老舗の結婚式場の男性係員、純白金モールの星の王子様がサングラスをかけているのを見ても、唇の端がぴくりと引きつっただけで、お客様の前で礼を失することがなかったのは立派であった。
控え室の鏡に映る私の姿は、「新婦の伯父」というよりも「花婿さん」という感じの華やかさで、うっとり見入ってしまった。
すっかり新郎気分になって、時間を見計らって、控え室を出て、純白金モール星の王子様衣装にサングラスで颯爽と会場に向かった。
秋の結婚シーズンの大安の日曜日、ごった返している。
と、式場の人が飛んできて、私の腕を捕まえて、「新郎様!お急ぎください!」と叫んで別の披露宴会場に引っ張って連れて行かれた。
ドアが開くと強烈なライトが当たり、ファンファーレと共に司会者の声。
「お色直しを済まされました新郎様のご入場です!皆様、盛大な拍手でお迎えください!」
盛大な拍手で迎え入れられてしまったので、しかたなくキャンドルサービスだけ済まして姪の披露宴会場へ急いだ。
甥のときと同様、私が書いた私をほめたたえる紹介文を司会者が読み上げている。これだけほめられるのは、葬式のときくらいだろう。
何度聞いても気分がいい。
さて、歌っているときの歓声は甥のときより盛大であったが、これは今回の方が受けたというより、単に出番が遅くて皆さん酒が回っていたためと思われる。
しかし、そうは思っても乗せられるもので、張り切っていつになく激しくツイストしてしまった。
どれほど激しかったかと言うと、すんだ後おなかが猛烈に痛くなったのである。
帰りの新幹線で静岡を過ぎるあたりまで痛かった。
甥の披露宴で新郎の母である私の妹が踊ったのには驚いたが、今回は新婦の母、まさか踊るとは思わなかったのに、踊ってました。(-_-;)
新婦の父も席を立って私のそばまで来たが、胃の手術をしているので医者からツイストは禁じられているそうで、新郎新婦が踊るのをしみじみと見ていた。