若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

娘の結婚

きのうは次女の結婚式。

ホテルのチャペルでの式が済んだとき、雰囲気が何かと似ているなと考えた。
ヤマハの発表会と似てる。

胸がむかつくような気分で、わけのわからんままに終わってしまうとこが似てる。

式と披露宴で、心配なことがいくつかあった。
最初の心配は、娘と腕を組んで歩く場面だ。
これまで何度か目撃した。
ほとんど拷問だと思えて、お父さんに同情していた。
私なら泣くなと思ったが、泣いてるお父さんはいなかった。
娘とよほど悪い関係なのだろうと思っていた。

私は、娘との関係は悪くないので、できれば避けたい事態であった。
式の前に予行演習があった。
腕を組んでふつうに歩くのだと思っていたら、ちがった。

「ウエディングステップ」で歩いてくださいといわれた。
なんじゃそれは?

左の足を踏み出してから、右足を同じ位置にそろえる。
次に右足を踏み出し、今度は左足をそろえる。
そろえたほうの足を出すと覚えてください。

上海雑技団出身でもない私に、そんな曲芸みたいなことができるであろうか。
悩んでいる私に追い討ちをかけるように、ライトの当たっているところから歩き出せ、十字架を見つめて歩け、一番前の席で止まれなど、無理難題の言いたい放題であったが、無難にリハーサルを終えることができた。

ところが、イザ本番となると、ライトが当たってるのがどこか、十字架がどこか、左足がどっちかわからなくなってしまって、混乱しているうちに、娘に引きずられるように新郎の前まで来てしまって、二人で顔を見合わせてニヤニヤしてたら、家内が、すわりなさい!と言ったので、あわてて席に座った。

リハーサルではうまく行ったのに本番でこける。
これもヤマハの発表会と似てると思った。

想定外のことがあった。
式が始まるまで、控え室で新郎新婦とともに待っているというのだ。

娘の隣にすわって待つ。
これはまったく予想していなかった。

どうしたものかと思ったが、顔を見たりことばを交わしたりしたら、不吉なことが起きるような気がしたので、私は終始横を向いて黙ってた。

係の女性が二人、雰囲気を和ませようと、新郎新婦にしきりに言葉をかけていたが、私には何も言わなかった。

私が、言葉をかける必要がないほど落ち着いて見えたか、言葉がかけられないほどこわい顔をしてたかどっちかだと思う。