若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

甥の結婚式

式場のカトリック教会が実に立派なので驚いた。
広島で一番大きな教会だそうだ。

甥とこの教会の関係であるが、甥はカトリック系大学の出身で、在学中スペインに留学しているが、その時16世紀ヨーロッパに吹き荒れた宗教改革の嵐に対抗してカトリック教会の改革に命をかけ、「カトリックの小泉さん」と言われた「イエズス会」の創始者イグナチオ・ロヨラの研究をしたという話は聞いたことがないから、関係はないと思う。

式は厳かな中にも神父さんが新婦さんの名前を間違えるという私好みの雰囲気のうちに終わった。神父は非常に好感の持てる人だったので安心した。「神父」は「新婦」の誤変換ですよ。私が神父に好感を持ってどうする。

披露宴会場は、今風にとてもおしゃれなレストランであった。新郎新婦のリクエストで、私は「鹿せんべいツイスト」を歌うことになったのだが、どう考えても結婚披露宴にふさわしい歌とは思えなかった。しかし私の知ったことではない。

司会の女性がやってきて、「余興をしてくださる若草様ですね」と言ったのでムカッとして、「余興ではなくライブです」と言ったら「失礼しました」と焦っていた。
彼女は、私が前もって渡してあった紹介文をそのまま読んでいいかどうか確認に来たのである。
「若草様は奈良を代表するイケメンロックンローラーとしてご活躍され」というような文章を自分で書いて渡してあったのだ。

披露宴が始まって、甥の会社の部長の挨拶が済んだところで私は控え室に行って式服からステージ衣装に着替えて待っていた。

出番ですと私を呼びに来た係の女性が私を見てこけた。家内がそれだけはやめてと泣いてすがった「エバラ焼肉のたれ黄金」風キンキラキンジャケット、純白のズボンと白いエナメルの靴、連合軍最高司令官マッカーサー元帥愛用のサングラスに身を固めた「新郎の伯父様」に驚いたようだ。
私はこけた彼女を抱き起こした。
「お嬢さん、驚くのはまだ早い。私が歌って踊るところを見てからですよ」

会場入り口で待っていると司会者の声が聞こえてくる。
「イケメンロックンローラーとして活躍され、お水取りと並ぶ奈良の伝統行事『鹿せんべい飛ばし大会』のテーマソングを作詞作曲されるという素晴らしい才能の持ち主です」

自分で書いただけに要領を得ているので聞いていて気持ちがいい。
さあ、皆様お待たせいたしました!