若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

切手離れ

郵政公社が、若手デザイナーを起用して、切手の売れ行き増加を狙っているそうだ。
これまでは記念切手というと、各官庁から寄せられるアイデアに基づくものが多かった。
国際地球観測年」とか「婦人週間」とかいう切手だ。
それでは売り上げの減少に歯止めがかからないので、売れるデザインの切手をつくるということらしい。

デザインで切手が売れるのかと思うが、売れるのだ。
ドラえもん切手」は非常によく売れたそうだ。

こうなると、日本人が切手離れをしているというより、切手が切手離れをして切手でなくなっている感じだ。

亡くなった伯母が切手を集めていた。
遺されたたくさんの切手が売れるものかどうか友人の郵便局長に聞いた。
彼は、切手は売るものではなくて買うものだと言った。
わけがわからんままに納得した。

知り合いの年配の女性は、若いころ大阪の中央郵便局の近くに勤めていたので、せっせと切手を集めた。
何年か前、膨大なコレクションを持って切手商に売りに行ったら、汚れがどうとか印刷がどうとか言って買ってくれなかったとぼやいていた。

昔、黒柳徹子さんが司会の、小学生を対象にしたクイズ番組があった。
黒柳さんは子供達に趣味を尋ねる。
「切手を集めることです」と答える子が多かった。
「何枚くらい持っていますか」
「6枚です」とか「8枚です」とか答えるのがかわいいのであった。

切手離れも進んでいるが、「現金離れ」も深刻だ。
カードや口座振替の普及で現金の使用が減っている。

財務省では現金離れを食い止めるため紙幣のデザインを変更することを検討している。
この動きには、自民党の文教部会もからんでいる。
同部会は、青少年の非行や犯罪の増加の原因は家庭にあるとしている。
とくに、給与振込みの普及で、家庭内で父親の権威が実感されないことが問題視されている。
経団連加盟各社に、給料を現金で渡すよう要請すると同時に、財務省印刷局には給料用紙幣の肖像を給与所得者本人のものに出来ないか検討を指示した。

給料をもらうと、紙幣には福沢諭吉樋口一葉ではなく、自分の顔が印刷してある。
自民党文教部会では、この札を家で奥さんに渡し、奥さんは子供に渡すのだから、家庭内での父親の権威は一気に上がるはずだとしており、共働きの場合はどうするかを含め最後の詰めを急いでいる。