昨日のライブは大成功だったと言えると思う。
Y森さんが全曲無事歌いきったのはいささか意外というか、拍子抜けであったが、まずめでたいことであった。
もちろん「カンペキ」というのではなく、少々の「ズレ」はあったが、これがなくなればY森さんがY森さんでなくなるという「身分証明書」みたいなものだから、大局的に見てほぼカンペキと言っていいだろう。
Y森さんが昨日歌った曲は、この一年間歌い続けてきた曲である。
一年間歌い続ければ何とかなるものだなあと思ったが、同じように一年間弾き続けてきた私のギターがなんともならないのは不思議と言うか遺憾である。
一年間弾きつづけようが一週間であろうが変わらないように思う。
歌とギターは違うのだろうか。
あるいは、私のギターは時間を超越していると言えばいいのか。
Y森さんは、アクションもこなれてきた。
今までは、客の注意を歌からそらすためにヘンな格好をしているという感じだったが、昨日は「歌の振り付け」になっていた。
ときおり笑顔も出ていた。
私が横で見ている分には、がんばって作り笑いをしているという感じであったが、客席から見れば自然な笑顔に見えていただろう。
それでよろしい。
一度だけ、歌の途中で作り笑いを浮かべながら私を見つめるという気色悪いパフォーマンスが出たので、思わず目をそらした。
別に意地悪をしたわけではなく、Y森さんと私が目と目を見交わしてにっこり笑ってうなずきあったりしたらお客さんが気持ち悪がるだろうと思ったからだ。
というようなわけでY森さんはほぼカンペキであったが、ゲストのリンダさんは100%カンペキだった。
まず、この日のために作ったという1950年代アメリカ娘風ドレスが華やかである。
ヘアスタイルも、なんちゅうか、よくわからんが1950年代風で、これまたよくわからんが金粉銀粉のようなものをまきちらしてある。
尊師の「衣装が大事」という教えを忠実に守っている。
「VACATIONN」と「子供じゃないの」の二曲をパンチのある歌いっぷりで歌い終わった彼女に、まるでショウが終わったかのような盛大な拍手が送られて、再びY森さんが現れたときなんだか気まずい雰囲気がただよったのであったが、それにめげず最後まで無事歌い終えたのは立派であった。