小学6年生の時だったか、先生が、「大阪にはヘンな地名が多い」と言われた。
「『放出』と書いて、『はなてん』と読むなんて。誰が読んでも『ほうしゅつ』でしょう」
私は、先生がヘンだと思った。
「放出」は「はなてん」だ。
なにがおかしい?
それ以外にどう読めというのか。
「ほうしゅつ」と読むのはよほどのあほだろう。
「杭全町」は「くまたちょう」だ。
全然おかしくない。
「大蓮」は「おあつじ」だ。
何年も前に、「おおはす」と呼ぶことにしたようだが、正しくは、というか、伝統的にはというか、「おあつじ」であった。
昔は地元の人で、「おばつじ」と発音する人があって、そうなると「おあつじ」と「おばつじ」のどちらが正しいというか、伝統的というか、悩んでしまうのであった。
「鴻池新田」のように、人名が地名になる場合もある。
アメリカは、飛行場などに簡単に人名をつける。
エドワーズ空軍基地は、昔事故死した軍人の名前だそうだ。
縁起をかつがないのだろうか。
ハリウッドには、映画スターなど、映画関係者の名前をつけた通りがたくさんある。
セシル・B・デミル通り。
チャップリン大通り。
ヘップバーン大通り。
こう書くと、「いや、それはちがう。『ヘップバーン大通り』ではなくて、『オオドーリ・ヘップバーン』だ」と言い出す人がいるだろう。
そういう人は相手にしない。