新聞の広告。
お見合いの会社が、会員を募っている。
若い人だけではなく、中高年の結婚を支援しているそうだ。
現在登録中の、男性の最高齢は92歳、女性は83歳。
私には気の利いたコメントは書けない。
柳沢大臣なら、なにかいいこと言ってくれるかもしれない。
くれぐれも気をつけて、慎重に発言していただきたい。
朝の電車。
なじみの顔がいつの間にか見えなくなるのはさびしい。
非常に小柄な二人連れの女性を見かけない。
車内で、エンエンとひそひそ話をしていた二人だ。
「ヒソヒソヒソヒソヒソヒソ」としゃべっていた。
こういう人はいなくなってうれしい。
私と同じ年頃の気楽な男性二人組もいつの間にかいなくなった。
気楽なと言っては失礼かもしれない。
いつも野球とゴルフと飲み会の話をしているので気楽そうに見えるだけで、ほんとはつらい立場の人かもしれない。
二人とは毎朝いっしょだったが、たまにこの二人の上司風の人もいっしょになった。
こわそうな人であった。
その人も全然見ない。
三人がなにか事件に巻き込まれたのでなければいいが。
このところ、車内で私のすぐそばに立つ男性がいる。
私と同じ年恰好で、背は少し高い。
浅黒く精悍な表情である。
非常に厳しい目で本を読んでいる。
毎朝、厳しい顔でなにを読んでいるのだろうか。
『道は開ける!』系か、『部下を思い通りに動かす七つの方法』系か。
この人の性格を現すかのように、本を目の前にピシッと立てているので、のぞき見ることができない。
背が低ければ、私の得意の「忍法ろくろ首」で、後ろからのぞくこともできるがそれもできない。
ところが、なぜか今朝は本を低くして読んでいたので、ページを見ることができた。
正直一筋に生きてきた私への神の恵みであろうか。
上下二段に分かれていて、上の段は大きな活字で二、三行だ。
「今日の格言」かな。
上の段は何とか読めた。
「中日は今年も優勝できるでしょうか」
なんじゃこれは。
細木数子か。
ページをめくるたび必死に読む。
「宇宙旅行をしたいのですが」
「ゴールデンチョコボールが当たりません」
「梅ねりを置いてください」
支離滅裂である。
「白石さん・・・」
おお!『生協の白石さん』か。
それにしても、こわい顔で読んでますね〜。