若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ビオラ演奏会

昨日の夜、わが家でビオラ演奏会があった。
ビオラ独奏は京都芸大大学院生Nくん、ピアノ伴奏はウチの次女という、豪華メンバーである。

話せば、長くややこしい。
次女の高校時代の友人、Sさんが、大叔母さんが入居する老人ホームでビオラを弾くことになって、次女に伴奏を頼んできた。
Sさんは、二児の母であり、三人目がおなかにいる。
6月末の演奏会はだいじょうぶのつもりだったが、先日の健診でやめたほうがいいといわれて、急遽、代役を後輩のNくんに頼み、きのうの直前リハーサルになったのだ。

次女は、高校時代から、何度もSさんの伴奏をしている。
高校一年のバレンタインデイ、次女が、「これ、Sさんが、おじちゃんにって」と、ノートの切れ端に包んだものを差し出した。

あけると、明らかに食べ残しと思える板チョコがひとかけら。
こ、これがバレンタインチョコだと言うのか!(>_<)
これでホワイトデイを待つつもりなのか。
やるではないか。
表彰状ものだ。

筆で表彰状を書いた。
「表彰状  義理チョコの女王 S明日香殿
 あなたは、世界義理チョココンクールにおいて、頭書の成績を収められましたのでこれを賞します」

二年生のバレンタインデイ、Sさんから、病院の薬の袋が届いた。
本物だと思ったら、Sさんの手作りで、「バレンタ医院」と書いてあった。
中には、粒チョコが四つ入っていた。

去年のほうがマシだ。
いくらチョコレートでも、甘い顔はできない。
また筆で書いた。
「告発状 バレンタ医院婦長 S明日香殿」

三年目のチョコレートは忘れたが、彼女に卒業証書を書いた。
「卒業証書 卒業生総代 S明日香殿
 あなたはバレンタ学園を優秀な成績で卒業した、才色兼備のお嬢さんであることを証明します」

楽しい思い出であるが、ビオラ演奏だ。
Nくんは、バイオリン専攻なのだが、ビオラ演奏会ということになっているので、ビオラでバイオリンの名曲を弾くことにしたのだ。

聞いたことのある曲ばかりだったが、題名を知っているのは、バッハの名曲「G線上のアリア」だけだった。
愛妻家のバッハが、妻のアンナさんのために即興で弾いてみせた曲だ。

「まあすてき。なんという曲ですの」
「うまく弾けた時は、『G線上のアリア』、弾き損なったら『G線上の、ありゃあ?』」
「えーかげんにしなさい」
「ほんとにネッ」