東大寺二月堂の修二会(お水取り)の本行が始まった。
朝日新聞によれば、毎晩、祈願文が読み上げられているそうだ。
四パターンの祈願文を日替わりで読み上げる。
四つのお願いというのはよくばりである。
過去にもいろいろお願いしているが、四ついっぺんにというのは異例のことだそうだ。
なぜ四つもお願いするのか。
担当の大導師狭川普文師によれば、「観音菩薩に訴えなければいけないことが多い」からだ。
あつかましい、と思うのは素人の浅はかさ。
なにせ訴える相手は二月堂本尊十一面観音である。
あと七つ余ってる。
十一お願いしなければ損だともいえる。
遊ばせとくのはもったいない。
毎晩九時過ぎから十一面観音に向かって祈りの趣旨を述べ、問題の解決を願うそうだ。
この二晩で二パターン祈願した。
まず「熱帯雨林の違法伐採、氷河消滅、酸性雨ならびに黄砂の増大は末法の相を呈す」と、人類が招いた環境悪化を憂いた。
次の夜、「地球を覆いたる焦熱の炎」と厳しい言葉で温暖化に言及した。
そして、ただ憂いたり厳しい言葉で言及したりするだけでなく行動が大切であるとして、温暖化防止のためお水取りのメインイベント「大たいまつ」を中止すると宣言した。
今年はたいまつに火をつけずに僧が走り回る。
まっくらけでさびしいが、温暖化防止のため我慢してほしいとのことである。
そして、温暖化の原因のひとつの石油の最大の生産地域である中東とその最大の消費国アメリカに十一面観音を派遣して、仏教、イスラム教、キリスト教の力で、地球温暖化をくい止めたいとしている。