朝日新聞。
森英恵さんが、イブ・サンローランの追悼文を書いている。「デザイナー」というのが、よくわからない。服のデザインをする人だということはわかる。なぜそんなに有名になったり、金が儲かるのかわからない。イブ・サンローランと、マリー・ローランサンが似てることはわかる。
イブ・サンローランは、私にはなじみのある名前だ。私は、紙パッケージ関連の仕事をしていた。ある得意先で、「イブ・サンローラン」と、独特の書体で書いたいろんなサイズの箱を、しょっちゅう見た。箱にはなじみがあるが、中味にはなじみがない。
十数年前、イブ・サンローランの、スカーフなどを作っている工場に行ったことがある。製品はおぼえていないが、そのとき社長が心配してたのをおぼえている。
「イブ・サンローランが、『メイド・イン・ジャパン』ではおかしい」という声があって、本国で作ろうという動きがあるというのだ。
どうなったかは知らない。
紙箱は大量生産だ。一気に大量に売れるのか、大量だけど、長期間にわたって少しずつ売れるのか、見当がつかない。
ある得意先では、「ケーニヒスクローネ」の箱をしょっちゅう見た。はじめ、何の箱かかわからなかったが、あんまりよく見るので、聞いたらお菓子の箱だった。よく売れてるんだなあと感心した。
ポケモンについて知らなかったころ、ある得意先で、大量の「ポケモンガム」の箱を見た。
なんだこれは?と思った。
次に行った時、また大量の「ポケモンガム」の箱を見た。
次も、また次も。
計算すると、「ポケモンガム」は、毎月数百万個売れてるようだ。
「ポケモン」とは何か?
「ポケモンガム」には、ガムと、「ポケモンカード」が入っていて、子供達は、「ポケモンカード」がほしいのだ。
そのうち、ガムの製造が追いつかなくなったという話だった。メーカーはさぞ喜んでいるだろうと思ったが、そうではなく、心配しているというので不思議に思った。
そのメーカーは、今までにも、「キャラクターお菓子」を手がけている。
ブームが終わったときの、凄まじいばかりの返品の恐怖を何度も味わっているそうだ。
イブ・サンローランは、ポケモンより長く続いたということだろうか。