若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「日本画:きのう 京 あす」

京都文化博物館の「日本画:きのう 京 あす」展に家内と行ってきました。

ポスターの、秋野不矩さんの絵にひかれて行きたくなりました。

京都文化博物館には何年か前二人で行ったなあと思ったけど、家内はおぼえがないと言います。
おぼえがないと言いながら、「ああ、戦没画学生の絵を見に行った!」と言うんです。
私は建物だけおぼえてて家内は内容だけおぼえてたということでしょうか。

日本画:きのう 京 あす」とは、しゃれたネーミングですね。
京都日本画家協会創立70周年を記念して開かれた展覧会。

明治以降近代日本画の礎を築いた巨匠たちのすでに古典となった傑作の数々、今日の日本画を背負って立つ作家たちの代表作、次代の日本画壇を担う期待の新鋭たちの話題作が、バランスよく展示されている、と思うじゃないですか。

ちがうんですな。
会場の説明を読んでかっくんとなってしまった。

ならんでるのは、京都日本画家協会歴代の理事長、顧問の作品23点と、会員の新作約430点。
し、新作って?

代表作でもなく自信作でもなく受賞作でもなく力作でもなく話題作でもなく超大作でもなく3Dドルビーサラウンドでもなく、単なるというかただのというかいわゆるというかなんちゅうか、新作・・・。
まあ、きのう描きました、みたいなもんでしょう。
いや、きのう描いたかどうかは知らんが、私は、名も知らぬ画家の単なる新作を奈良から800円の入場料払って見に来るほどの日本画ファンではないし、ヒマ人でもないんです。
話題のなでしこリーグでも無料でっせ。

「新作430点」と書いてあるのを見ただけでかっくんとなったが、新作をこの目で見て本当に心からかっくんとなった。
きのう描きました、ああそうですか、というほかないものが大量にならんでた。

いや、へたっぴーとか、そういうんじゃないですよ。
しかし、くそ暑い中、節電のため冷房のきかない電車に乗ってまで見に来たくなかった。

歴代理事長、顧問の作品は良かったから、見る値打ちがないとは言いませんが。
歴代理事長、顧問の作品は、だいたいが「○○美術館蔵」というもので、きのう描いた「新作」をいっしょに並べるのは気の毒というもんですね。

秋野不矩の「紅裳」は堂々たる作品でした。
菊池契月の「少女」は、線にこれほどの表現力があるのかと驚きました。

京都日本画の「きのう」をもっと見たかったです。